愛情裏返し
「…好きだ。」
「……あ?」
ベンチで皆の練習を見守り個人個人のプレーの弱点とか客観的に観察してノートに纏めてると、水分補給に戻ってきたらしい三上がいきなりそんな事をほざいた。
「何が?雲丹の軍艦巻きが?」
「ばっ…!違ぇよ!」
「あれ?雲丹好きじゃなかったっけ?」
「好きだけど、」
「じゃあ違わないじゃんか。」
「違わねぇけど違ぇんだよ!馬鹿だろお前!」
「逆ギレはんたーい。」
運動量が多い為だろうか。息を上げ真っ赤になった三上に軽蔑の眼差しを送る。
すると奴は舌を打って私の隣にどかっと腰を下ろす。
「みーかみさーん、サボりですかー?」
「五月蝿ぇ、鈍感女。」
「何だとこの野郎。私は蚊に刺されただけで高熱を出す程敏感だぞ。」
「自分で言うなよ。つか蚊に刺されて高熱とか何かの感染症じゃねぇか。」
「なら貴様は何を根拠に私を鈍感女呼ばわりしたんだ。」
そう問い質すと三上は嫌味な位深い溜息を吐いた。
熟々嫌な男だ三上亮。
高等部行ったら桜上水の水野が入学してきて武蔵森の10番奪われちまえ。ばーか、ばーか。心中で憎まれ口を叩いていると、三上は何故か高圧的な態度で私を見下す様に言葉を発した。
「人が恥を忍んで言ったってのに、この阿保が。」
「はぁ?」
「俺はお前がすっ、好きだって言ったんだよ!」
「……え?」
自棄になったらしい三上の言葉に私は目を屡叩いた。
……三上が私を好きだと?
「……何それ。きもい。」
「てめっ…!?」
肩を竦めて両腕を抱え込むと、奴の顔は色んな意味で赤くなった。
愛情裏返し
嬉しい、なんて思っても言わない。
「キャプテーン、何か寒気がしまーす。」
「何だ?風邪か?なら早めに上がって良く休め。」
「真に受けてんじゃねーよ、渋沢!」
fin.
後書
今更ですが誰かのせいで嵌まってしまいました(笑)
三上先輩と藤代くんが愛しいです。
20100708
篝 拝
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ballad
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