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2021/09/05(Sun)
考えてから行動しろ。
置く場所ないのについついメカみわ書いてしまったのでここに仮置します(???)
春のうた(呪術廻戦/メカみわ)
与幸吉に宛てがわれた呪骸は表情や温かみなど欠片もない、頭蓋骨にただ皮を被せたかのような気味の悪い見た目をしていた。戦闘を行うことを考えれば、敵への威嚇も兼ねた合理的な見た目だと言えるだろう。なよやかな外見にして相手に舐められることがあってはいけない。そういう理屈は分かる。
けれども――この呪骸は幸吉の代わりに学校へ通い、学友たちと接するのだ。そう考えた時に、果たしてこの見た目は合理的と言えるだろうか。奇異の目で見られないはずがないし、どう考えても怖がられるだろう。
とはいえ既に作ってしまった物に対して文句を言っても徒労に終わることは間違いなかった。第一、四月までにはもう幾日もない。だからせめて高専では幸吉ではなく、メカ丸と名乗ることを認めさせた。
これはメカ丸という名の呪骸であって与幸吉ではない。ただのアバターだ。そう割り切ることにしたのだ。
結論から言えば、幸吉の方が彼らを見くびり過ぎていた。十代の学生とはいえ、れっきとした『呪術師』の学生なのだから。
◆
究極――アルティメット――を苗字だと考えた時に、メカ丸は五十音順で先頭だった。つまるところ、自己紹介も一番最初だった。
「究極メカ丸ダ。よろしク」
などと小学生もびっくりの名乗りを上げたメカ丸を、ほぼ全員(と言っても数人しかいないが)が驚くほどすんなり受け入れた。目の前に並んでいる二年生など、大男から小柄な少女まで誰一人眉ひとつ動かさない。受け入れたというかスルーしたに近い無感動さだった。
「禪院真依です。真依って呼んで下さい」
二番手の女子が一歩前に出て礼をする間、メカ丸の方は(なんせ表情がないので)涼しい顔だがアイカメラで状況を観察している幸吉の方は変な汗が止まらなかった。
いや、ちょっと待ってくれ。おかしいだろ。もう少し何かあるだろ逆に。先生に予め何か言われてたのか?それともこれ、もしかして新手のイジメか?
頭の中で思考がぐるぐるする。好奇の視線なんてごめんだと思っていたが、ノーリアクションもそれはそれでキツいのだと学習した。
生まれてこの方、ほぼずっと薄暗い部屋の中で一人きりで過ごしてきた幸吉である。同年代とのまともな交流はこれが初めてだ。なのに独特の感性を持たないとやっていけない呪術師の集団がファーストアタックでは、色々と難し過ぎたのである。
「…… ちょっと次、あなたの番だけど」
「……え。あっ、はい!失礼しましたっ!」
イラつきを隠そうともしない禪院真依の声に続いたのは、明るく元気な、ごく普通そうな少女の声だった。
「三輪霞です!えっと……好きな食べ物は鍋です、よろしくお願いします!」
少女が直角に頭を下げると、人形みたいにきれいな水色の髪が川のような滑らかな流線を画く。一瞬、思わず見蕩れてしまった。
二秒程で顔を上げた少女――三輪霞は目の前にいる先輩たちを見た後で、メカ丸の方にちらりと視線を寄越した。
『……やっぱロボットだって!誰も何も言わないけどロボットいるって!!』と、その視線はゆうに語っていた。頑張って硬い表情を保とうとしているようだが、頬は紅潮しているし、唇を引き結びすぎて口元がおかしなことになっているし、瞳は好奇心からキラキラしている。
余談だがメカ丸のアイカメラは首を動かすことなく百八十度以上の範囲を視界に収めることが可能だった。だから先輩たちの方に顔を向けたまま、三輪霞の仕草や表情がじっくりと観察出来た。良い反応を無邪気に素直に返してくれる彼女は正直……ちょっと、可愛かった。
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