出先で同級生に会うと気まずい
一通りフィッシュ&チップスの推理を語り終えた有希子さんと目が合う。
「あら? 白斗くん?」
「ご無沙汰しております」
「君は会社員か何かか?」
「あっ」
「うふふ」
焦りながら答えてしまったため、秀一さんからツッコミを頂いてしまった。全くその通りです。
「白斗くんのお知り合い?」
「はい」
「そうなのね! あ、そうそう、白斗くん、新ちゃん見なかった?」
「新一……は見てないですね」
「そう……、全くどこに行ったのかしら……、じゃあまたね!」
新一は今からここに来ますとはとても言えず。有希子さんは俺に手を振るとまた新一を探しに行ってしまった。
なんだろうこの罪悪感。そもそも新一がふらふらしてるのが悪いんだぞ!
「今のような一般人にも言葉遣いだけで母国がバレてしまう……この世に安全な国なんてないんだよ母さん……」
とこれまたおおよそ俺が聞いてはいけないような話をしだした秀一さん。ごめん新一さっきはああ言ったけど早く来てくれ。
「バレバレだよ!」
来た!
「お兄さんの正体がピエロだってことはな!」
そこから新一の推理が始まる。
知識はすごいけどピエロはないな……うん。秀一さんがピエロとか……だめだやめようにやけてしまう。
新一の推理に秀一さんは大笑い。にやにやしているのは見たことがあるけどここまで笑っているのは見たことがない。貴重だ。
できれば写真撮ってこれからいじり倒したい。
結局推理が違うと気づいた新一。推理の間違いだけじゃなくて俺の存在にも気づいてほしいところである。
「君は何者なんだい?」
「ボ、ボクは……工藤新一! シャ……シャーロック・ホームズの弟子だ!」
シャーロック・ホームズの弟子、か。後数年したら平成のホームズって言われるようになるんだよなぁ。
「新一、それ俺の時の自己紹介でもして欲しかったな」
「え?! 白斗?! おまっ、何でここにいんだよ!」
「母さんに連れられて来た」
「このお兄さんの知り合いなのか?」
「うん」
「なんだ、ボウヤの同級生か」
「そうなる……ところで秀一さんそのボウヤってやめようぜ」
「……白斗君」
「うーん、チェンジで」
「ここはそういうところではないぞ」
「なんか、君ってむず痒いから呼び捨てで」
「了解」
そんな俺たちの怒涛のくだらないやりとりに新一は目を丸くさせていた。すまんかったとは思う。
「あー新一こんなトコにいたー! お母さんが探してたよー!」
「蘭!」
「毛利さん」
「あ、白斗君! 白斗君も海来てたんだ!」
最高にいい笑顔の毛利さんもとい蘭姉ちゃんに君がむず痒いとか言えるのか俺。
「あー、その、えー、君ってつけられ慣れてないから呼び捨てで、いいよ?」
「そうなの? じゃあ白斗って呼ぶね、私も蘭でいいよ」
「あー、蘭ちゃん、で」
呼び捨てにするとちょっと貴方の幼馴染が怖いので!!
そんなやりとりをしていると、男達がぞろぞろと向かってきていた。
あーでたでた。