つめあわせ 01


瞼の裏側できらめく
哀しみは優しさに溶かして
心臓をくすぐるのがお得意で
ゆるやかに欲情
愛なんていらない
純情テディベア
触れたやわらかさ
8ビート、ハートビート
雪の果を迎える
それじゃあキスからはじめよう

噛み砕いてのみこんで
しあわせの数だけキスをしよう
爪先から恋をする
窓辺にうつる月
お月さまがみてる
たとえば恋じゃなかったとして
その名前になんの意味があるの
こいのいろ
あなたの恋に染まる
水玉あめ模様

なんじゅう億ぶんのいちのわたし
おきにいりのあの子
にくたらしいほどあいくるしい
ぐしゃぐしゃに丸まった紙ひこうき
小指の約束
燃えるように熱い頬の
心の中の景色、を閉じ込めて
思い出に心中
心臓が泣いてる
答え合わせをしよう

きみがファム・ファタール
星の砂漠の片隅で
ぼくだけが知っているきみの
ほら、ヒーローになんかなれない
ゲーム・オーバーは僕のほう
わたしを殺したのはわたし
純白に映えるくちびるの赤
黒板を泳ぐ魚
スカートの中の純潔(が消えた日)
きみの指に赤色を結ぶ

きみとぼくの糸を赤に変えたい
きみの薬指に蝶々結び
薬指に約束をあげる
押しつけがましい愛ですが
23時55分の電話
鼓膜からしあわせのシャワー
ササクレ ムケタ
むさぼって囁いて捨てた愛
びーだまみたいな君の瞳(に映りたい)
知らない顔した君だった

咲いて汚れて散っただけ
割れたココロさようなら
もうとっくに夢中だよ
なんて言ってあげない、だけで
きみが嫌いなきみを僕はすき
大勢のなかのひとりになんかなりたくなかった
トイレに吐いて捨てた心
最初も最後も僕がいい
きみの匂いのするシャツ
知りたいのはいつも、君がくれるその先

その手のひらに口付けを乞う
出来もしない約束を、
今日も平気な顔で交わすのね
声にならない、言葉にできない。だけのこと
傷ついてないなんて言ってない
ただひっそりと泣け
水浸しの廊下で金曜日の使者が笑う
恋になりたて 愛になりかけ
灰色だらけの色鉛筆
僕の知らないクラス・メイト

机のうらの相合い傘
見せる予定のないかんぺきなノート
『  』のひとことが言えない
一夜限りの恋だとわかってた(はずなのに)
手のひらにひとすくい、それだけが世界だった
夢に出てきたりしないで
だってあなたをすきになる
『月が綺麗ですね』の意味も知らないまま
繋がりは四角い機械だけ
はじっこだけでもかじりたい

きみのためなら嘘だって正義になる
1度しか起こらないのならいっそ
奇跡なんていらなかった
いらない恋 すがりたい愛
夕暮れに染まる君の好意
(に、気づかないふりをした)
色づいた指先は誰のため?
制限速度なんてぶっとばして
ぶっちぎりの あいらぶゆー
見抜いてほしかったのは君じゃない

ずるい。なんて、褒め言葉
いかさまだってお手のもの
その悪はだれが決めた
濡れたシャツのにおい
仔猫じゃないから拾ってくれない
桜なんて散ってしまえ
きみのなかの真っ黒を見たい
欠けた人差し指の爪の先
パステルカラーが似合わないから
それだけでよかったのはいつまでだったのだろう