さぽーとできるおんな


プロになったあつむの身の回りの簡単な世話(簡単なが重要)体調管理やらにはなんだかんだ気を使えるよう女に性成長してしまいたい。
自分の家事は疎かなくせにあつむの家に来たときは適当に投げ捨てられたタオルやら練習着も洗濯機に投げ入れるし、シーズン前の結構練習がきつそうな時期はネットで栄養食も調べてあげるし、軽くご飯も用意してあげる。上裸でうろうろしてるあつむには服ぶん投げる。

「昔からあんなずぼらなちなが俺の世話はちゃんとしてくれとんの、さすがに惚れそうになるわ。しかも口うるさく言うてくるわけでも決まりで縛ってくるわけでもなくさーっとやってのけんの、ほんま意外」
「ちなって意外と器用だよね」
「そうやねん。やらんだけでやれる器用さは持っとるからな、知らんかったけど」
「こんな風になるとは誰も思わなかったしね、実は優良物件なんじゃない?」
「あー、せやな、ラッキーやな。高校んとき捕まえとってよかったわ」


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「家事とか嫌いなくせになんで侑の世話してんの?」
「え、なんで知ってんの」
「侑が言ってた」
「まじ?ばれてたん…」
「ばれてないと思ってたの?自分の家事もろくにできない人が普通他人の家事やるわけないでしょ」
「まあそれもそうやな…、あつむいやがっとった?」
「なんで?」
「人にあれこれされるん嫌うやん。あーせえこーせえ言われるのとかも」
「あー、確かに。でも褒めてたよ。ちなだから許せるんじゃない?」
「わたしにされることこそ嫌がると思っててんけどなー。何ていうてた?」
「…高校のとき捕まえといてよかったって」
「…え、それ褒めてるん?」
「褒めてる褒めてる」
「…もしかして角名も馬鹿にしてる?」
「…。でもなんでやってあげてんの?好きなの?」
「否定せーへんやん…」
「で、なんで?」
「えーそんなん依存させたろ〜的な?感じ?」
「…どういうこと?」
「今やイケメンイケメン騒がれてる有名プロスポーツ選手に依存されるって優越感えぐない?」
「…」
「今からあつむと出会って付き合うやつらなんかスポーツ選手ってことであれこれ事細かにお世話してあげるわけやん?でもあつむはそういうの耐えられへんタイプやし、うっとうしなって絶対上手くいかんと思うねん、わたしみたいにあつむの性格を知ったうえでバレへん程度にさりげなくやってくれるんが心地よくて依存してまうんちゃうかなーって。バレてもうてたのは盲点やったけど、実際前の元カノはそれで別れてると思う」
「…相変わらずいい性格してるよね、ちなは」
「でもあつむの邪魔しようとしてんちゃうで?あつむも一生一緒におると思って付き合ったような女ちゃうかったし。…多分な、わたしのほうがあつむとおさむくんの喧嘩気にしてるんよなあ…」
「喧嘩?」
「高校最後におさむくんがバレー続けへんってなったとき、どっちが幸せかって大喧嘩したやん?多分いまのおさむくん見てあつむもおさむくんのやりたかったこととか幸せの形は理解してると思うし、なんなら喧嘩のことも忘れてるかもしれんけどさ、わたしは心の底からほんっまにバレー続けて幸せやったってあつむが思えるように常に万全な状態でバレーをやり続けてほしいねん。現役でバレーできるんもそんな長ないし、引退後何がしたいとかあるんかは知らんけど、1ミリでもバレーでいやな思い出をつくってほしなくてさ」
「…ちょっとびっくり」
「びっくり?…てかまって、なんか語ってもうた!酔ってる!はっず!」
「ねえそれ、あつむに言ってあげれば?」
「はあ?!いうわけないやん!どの立場からもの言うてんねんって感じやん!きっしょい!」
「喜ぶと思うけどね」
「まって、絶対言うたあかんで」
「いや俺からは言えないよ」

「まあでもこういうこと考えてるってバレたら怒られるやろうなあ。俺の幸せ勝手に決めんな!とか言われそ〜」
「言いそう(笑)」



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