しっくりプラス
今日の授業が全て終わり、今やっている担任によるホームルームもたいして重要な連絡もないまま終わりそうだ。
今、この秀徳高校は絶賛テスト期間である。とはいってもまだ一週間前だが。
その秀徳高校の生徒の一人、緑間真太郎は、自分の入部している部活が今日は珍しく休みなため、普段は本を借りに行く以外で行かない図書室へと行くことにしていた。
予想通り、特に重要な連絡はなかったホームルームが終わると、緑間はすぐに教室を出ていく。
「あ!真ちゃんちょっと!ちょっと勉強おしえてくんない!?」
それに気づいたのはクラスメイトであり、部活のチームメイトでもある高尾だった。
「知らないのだよ。俺は一人で勉強する。…ついてくるな。」
「真ちゃんのイケズぅ」
「引っ張るな!!」
そんなことをしてじゃれながら(と高尾は思っている)も廊下を歩いていると、職員室に用があったらしいクラスメイトが戻ってきて高尾を呼びとめる。
「おう、高尾。なんか小川先生が呼んでたぜ。何かやったのか?」
「はぁ?マジかー、何もやってねぇはずなんだけど」
そんな軽口混じりの会話を終え、高尾は緑間の方を向く。
「真ちゃん、ちょっと俺呼ばれたから行ってくんね」
「別に俺に言わなくてもいいのだよ。さっさと行け」
高尾が職員室の方へ行ってしまった後、緑間は溜息をつきつつ図書室へと歩いて行った。
扉を開けると、やはりテスト期間中だからだろう、中で黙々と勉強をしている生徒がいつもよりも多いようだ。
つらり、と周りの席を見渡すと、ドアから入ってすぐの列の奥の本棚の方が空いていたため、そこに座ろうと歩みを進める。
教材をカバンから出しながら、教室とは違い静かで一生懸命な雰囲気に、やはりここは落ち着くと息を吐く。
机に広げたそれらと共に、筆箱の中からいつも使っているシャーペンを取り出し、やるか、と特に意気込むわけでもなく机に向かった。
緑間が図書室で勉強をしている頃、小川教諭に呼ばれた高尾は、職員室で教諭と話していた。
「なんだ、俺が何かやっちゃったのかと思いましたよ」
「ってことは、そう思うような事をやったのか?」
「いやいや、やってませんて」
教諭との冗談の応酬もほどほどに、授業中に貰い忘れていたプリントを教諭から貰う。チャイムの音が聞こえた。
「プリントありがとうございます。失礼します。」
「おう、気をつけて帰れよ」
用件の礼を教諭に告げ、職員室のドアを閉めた高尾は、プリントを手に先程から行くつもりであった図書室へと歩き始める。
ノートにシャーペンを滑らせていると、チャイムの音が聞こえた。
緑間がはっとして時計を見ると、もう最終下校時間のようだ。周りを見回してみても、殆どは帰ってしまっていて、残る生徒も帰る支度をしていた。
どうやら集中しすぎていたらしい、と分析というほどでもないが自分の状況を見て考える。
俺もそろそろ帰るか、と周りの生徒たちと同じく、緑間も帰る支度を始めた。
荷物をバックに詰め、図書室を後にする。
ほとんどの生徒が下校し静まり返った廊下を一人で歩いていると、なんだか違和感を感じた。何故だろうと思ったが、よく分からなくて、いつもより校内が静かだからだろうかとか部活がないからかもしれないとか、そんな取り止めのないことを考えた。
階段を一段下りたところで、見慣れた黒髪の男が上って来た。
「あっ、真ちゃん。勉強はもういいのか?」
「馬鹿かお前は。いいも何も、もう下校時間なのだよ。時間なのだから、帰るにきまっているだろう」
「馬鹿って…。まあいいや、終わったんなら帰ろうぜ。」
階段で行き会った二人は、いつものように肩を並べて玄関へと向かう。
緑間は高尾に悪態をつきながら、高尾はそんな緑間の悪態に突っ込みをいれながら。お互いにそれが当たり前で、受け入れて。
違和感はこれだったのかもしれない、と緑間は高尾と話しながらほんの少しだけ頬を緩めた。
Happy birthday!! 緑間くん!
友人に素敵な鎖骨を貰ったのでお礼と言えるかは分からんけど高緑を書きました。ありがとう鎖骨、ありがとうティビー。そしておめでとう緑間。
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