ぽけもんぱろ
『ねぇまりちゃん、流星群見に行かん?』
夜6時半頃に家に迎えに行くから準備して待っててや、なんて連絡を寄越して来たうつくん。普段ならめんどくさい、なんて思うけど絶対に一緒に行きたいねん、なんて念を押されたから軽く準備をして家の外で待って居るとすぐにうつくんはやってきた。
『ごめん、まりちゃん 遅なったわ』
「いや、そんなに待ってないし大丈夫だよ」
『ありがとうな じゃあ行くか』
そう言うと手元のモンスターボールから出てきたのはチルタリス。っいうかあれ、うつくんチルタリスなんて持ってたっけ。
「ねぇうつくん。うつくんって『ほら、早よ行かな流星群に間に合わへんようになんで』」
「……分かった」
『ちゃんと捕まっててや』
チルタリスに乗るうつくんの腰をしっかりと掴むとその間に行き先を告げたのかチルタリスは鳴き声をあげると空を飛び始めた。毎回思うけどみんな結構高い所まで飛ぶよね、これ。
『……あんな、まりちゃん』
「ん?なに」
『……やっぱなんもないわ』
「そう」
いつもとは少し雰囲気が違ううつくんに違和感を覚えながら腰に回した手の力を少し強める。ぷにぷに、なんて言って揶揄っていたうつくんのお腹は心なしか少し引き締まった気がした。
『ん、まりちゃん 着いたよ』
お手をどうぞ、なんて格好付けて出された手を取ると緊張していたのか軽く汗ばんでいて。
「ねぇうつくん うつくんってチルタリス持ってたの?」
『あー、やっぱりそれ気になる?』
「うん」
『まぁでも……うん、秘密やで 僕がチルタリス持ってんの』
チルタリスの頭を撫でながらそう言ううつくん。チルタリスも気持ちよさそうに撫でられていて、懐いているということが一目にわかった。
『まりちゃん、目瞑って』
「えっ」
『いいから早く早く 僕がいいって言うまで瞑ってて……ん、ええよ』
「………!」
うつくんに言われた通り目を開けると目の前にはたくさんの流星が流れていて、思わず口を開けて見蕩れた。
「うつくん!すごいよ!」
隣に座るうつくんの表情が見たくて隣を見ると優しげな眼差しで、こっちを見ていて恥ずかしさから目を背ける。あんな目でで見るなんて、ずるい。
『ここな、僕の大好きな場所やねん いつかまりちゃんも連れてきたいな、って思ったらちょうど流星群見えるとか言うからさ』
ポリポリと恥ずかしそうに頬をかくうつくんはかっこよくて、あぁ、もう これだから好きなんだ。
『いつか、その時が来たらちゃんと話すから だから、』
真剣に、でもどこか寂しげにそう呟いたうつくんの最後のセリフは小さくて聞こえなかったけど、遠慮がちに握られた手を強く握り返した。
「また、見に来ようね」
『……せやな、また来ような。』