「ま、真梨……今日一緒に帰らへん……?」
「ぎこちな。良いよ」
「ほんまか!今日ミーティングだけやねん」
「そしたら教室で待ってるよ、その方がわかりやすいでしょ」

もじ、とこちらを伺うように聞いてくる謙也に笑いが漏れる。中学ならいざ知らずもう高校生だと言うのに初心な反応を見せる謙也が可愛い。

「あれ、京極さん帰らないの?」
「うん、彼氏待ち」
「そうなんだ!じゃまた明日ね!」
「また明日」

ひら、と声をかけてくれたクラスメイトに手を振る。目を瞑ると放課後の部活動の音が聞こえる、今日はテニス部はミーティングなのでテニスの音はしない。
ふと気づけばクラスに1人、仄かな眠気が襲ってきて机に俯す。少しくらい寝たっていいだろう。


***


ギ、と机に重さを感じる。意識が浮上するが顔を上げずに様子を伺う。

「……真梨?」

謙也の声だ、規則正しい呼吸を演出してみる。狸寝入りと言うやつだ。
ふ、と頭に何かが触れる。と同時に「やってしもた……!」とボヤキが聞こえた。

「なにやったの?」
「ホ?!……お、起きとった、んか?!」
「まぁ、で?」

頭を起こして頬杖をつく。ただ単純に私は謙也が何をしたのか気になる。謙也の顔を見ればモゾ、としながら頬を赤く染めている。生娘か?

「……頭に、チューしてもうた……!あぁ!恥ずかしいこと言わせんなや!」
「え?そんだけ?今更じゃん」
「な!な!」
「逆にしてあげようか?ほら屈んで」

いや、ちが、など言葉を漏らしながらも隣の席の椅子を寄せる謙也は素直である。
同じ高さの視線になった謙也の耳元に手を伸ばせば露骨にビク、と跳ねる。触っただけなのに。
そのままこめかみ付近へと口元を寄せれば息を飲む音が聞こえる。

「……はは!顔真っ赤、謙也」
「うーーー……!ずるいやろ!なぁ!」
「それ以上もしてるのに?」
「うっ……!それと!これとは、別やと思うんやけど…………」
「覇気無さすぎでしょ」

唇を尖らせて少しばかり不貞腐れる謙也の唇を摘む。柔らかく保湿されている唇にムカついてくる、まぁ私が保湿しろと強要しているのだが。
そのまま顔を寄せ、触れるだけのキスを落とす。

「ッ!」

ガタン!と大きな音を立てて謙也がひっくり返った、椅子ごと。

「な、何!なにすんねん!」
「初めてじゃないじゃん」
「こ、ここ学校やで!?」
「そうだね」
「わー!!!!」
「語彙が無くなっている」

ひっくり返ったままなんだか唸っている謙也を横めに鞄を手に持つ。そのまま謙也を見て見ぬふりして出入口へと向かえば焦った音が背後からする。

「ほら、帰るんでしょ」
「かえ、帰るわ!アホ!」
「ふーんアホって思ってるんだ」
「違う!言葉のアヤっちゅーあれやん……すまんて……」
「はは、謙也可愛いねぇ」
「やかましいわ!」

すり、と謙也の手のひらを撫でながら絡めればまた露骨にビク!と体が跳ねる謙也。本当に生娘みたいな反応するの笑うんだけど。

「……な、なぁ真梨」
「ん?」
「……もっと、キスしたいねんけど」

廊下で立ち止まる謙也、耳まで真っ赤な謙也を見ると同時に絡められている手にギュ、と力が加わった。

「ここで?」
「……」
「恥ずかしいこと言うね」
「やかましいわ!……スイッチ入れたんは、真梨やろ……」
「えー?そうかなぁー?」
「うぎぎぎ……!」

謙也の手を引いて近くにあった教室へ、すんと鼻を動かせば少し埃臭くあまり使われてない資料室なことが分かる。なぜこんな所の鍵が開いているのか。

「あ、謙也エッチなこと期待してるんだ」
「違うわ!……いや、その、違くは、あらへんけど……」
「学校ではしないよ」
「そ、そやんな!……えっ?学校やなかったらええの……?」
「は?」
「すまん」

扉の鍵をカチャン、と閉める。内側から閉められるタイプで助かった。
謙也はキスしてもらえる、と思っているのか心做しか犬のしっぽがブンブンしているのが見える。

「キスしないよ」
「えっ?!」
「とりあえず座って」
「お、おん」

壁にもたれ掛かる形で座る謙也の上に跨ぐ、混乱する謙也の声が聞こえるが無視だ。

「キスしたい?」
「おん!あ!いや、ちゅーか!この体勢……!」
「しー、あんまり騒ぐと誰か来るよ?」
「んぐ……!」

唇を思い切り噛み締めて大きな声を出さないようにしている謙也の健気な姿に抑えきれない笑いが出る。可愛いねぇ。

「こうやって座ってると、座位みたいだね」
「……ほんま、煽んなや……!」
「ごめんごめん。私も謙也とキスしたいから連れ込んじゃった。許して?」
「許すも何も、……可愛ええこと言うやんか」
「あれ?私は可愛くない?」
「可愛ええ。めっちゃ可愛ええ」
「自己肯定感爆上がりしちゃうって」

すり、と謙也の手が足に伸びる。パシ、と叩けば幻覚の犬の耳が垂れ下がるのが見える、可愛い。
謙也の肩から首に両腕を伸ばせば自ずと距離が近くなる。
おでこが触れる、鼻先が触れる。別にキスなんて初めてじゃないのにいつもと違う雰囲気となると緊張するものだ。

「キスだけだからね」
「……生殺しやん」
「何回も釘刺しとかないと謙也はしかねない」
「信用無いん?」
「ふふ、嘘」
「……真梨に翻弄されとるわ」

チュ、とわざとらしく音を立ててキスをする。何度か啄むようなキスをすれば謙也の舌が私の唇を割って入ってくる。

「ん、ふ……」
「あー……あかん、かも」

お互いの唾液が混ざり、顎を伝う。謙也の上顎を舌先でつつけば舌を甘噛みされる、謙也は上顎が少し弱い。
ふと気づく、ぐいと私の足に押し当てるように主張してくるものに。

「……謙也」
「仕方ないねん、生理現象やから」
「このままじゃ帰れないし、抜こっか」
「えっ?!?!」
「声がでかい」
「いや、えっ?!真梨が……?ちゅーこと、やんな……?」
「え?自分でやりたいならいいけど」
「願っても無いことです!」
「敬語草」

謙也のベルトを外し、ズボンのファスナーを下ろす。私は別に着用したままでもいいが濡れたズボンで帰る謙也のことを考えての優しさだ。

「……謙也ってキスだけでこうなるからコスパいいよね」
「ちんこにコスパとか使わんでくれ」
「完勃ち?じゃないか」
「ん……」

つん、と触れば先走りの液体がぷく、と姿を見せる。片手でカリカリと軽く触れるか触れないかのギリギリのラインを爪先でいじっていると謙也から声が漏れ出てきた。

「ぁッ、」
「謙也、声」
「無理やって、あっ、あ」

謙也の口を塞ぐように唇を落とせば後ろ首に手が回る。手で謙也のを弄りつつキスをする、脳を動かしている。

「ん、真梨好きやで」
「何、急に……私も好きだよ」
「あ〜……めっちゃ好きや、一緒に居ってな」
「一生一緒にいてくれやってやつ?」
「アホ、笑かす……ん!」
「握ってるの私だからね」

ぐちゅ、と卑猥な音を立てながら謙也のを握り上下に動かす。謙也からはイキそうなのか吐息のような嬌声が聞こえる。

「イキそう?」
「……ん!」

合間が短くなりながらも吐息を吐く謙也に聞けばふる、と軽く震えながら頷いた。
……このまま出すと服が汚れる危険性があるな、と思うと頭に電球が浮かんだ。

「謙也、ちょっと頑張ってね」
「は?……あ、あほ!何して!」
「汚れちゃうから」
「ッ……!嫌やもう、真梨に勝てへん……!」
「勝ってるよ〜挿れるのは謙也だからね〜」
「そういうことじゃ……!ッ!」

体をずらし謙也の下腹部へ顔を動かし、舌先で弄ぶ。限界が近い謙也は涙目になりながら下唇を噛んで耐えていた。
口内に含めば腰が謙也の一層跳ねる、実はフェラは初めてである。謙也もまさかされるとは思っていなかったのか混乱しまくっている。

「あっ、無理。真梨、イキそう……!」
「ん」
「外せって、ちょぉ聞いとる?!」
「んんん」
「あかんて!ほんま!」

咥えながら舌で弄れば謙也の無理!と言う声が聞こえる。
ずる〜と謙也のを舐め再び口に含む際に少し歯を当てる。

「ッ!!!!」

息を飲む音と謙也が自分の口を塞ぐ音が同時に聞こえ、謙也のが一層脈打つ。口内に放たれた欲を収まるまで受け入れていれば謙也が情けない声を出していた。

「えーん……」
「なんで泣いてんの」
「真梨にフェラさせてしもた……」
「ところでティッシュない?」
「ある!」

謙也から差し出されたティッシュにべ、と精液を出す。精液で食生活がわかるというがこんなんで分かってたまるか。苦い。

「でも好きでしょ謙也」
「………………」
「沈黙は肯定とします、ほら帰ろ」
「俺、真梨の切り替えが怖いねんけど」

途中の手洗い場でお互いに口元や手を洗う。私は口内も濯いだが独特の感触は少し忘れられそうに無い。

「ここからは健全な高校生の駅までデートだからね」
「……そ、そやな!たこ焼き食うか!」
「まぁそれもあり」

するりと謙也手のひらに指を絡めれば少し体が跳ねる。引きずるな。



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