「うお、風強いね」
「雨もこっから強くなるらしいからな」
窓が少しガタガタと鳴る、台風が近づいているせいか雨も風もすごい。
「忍足も電車止まんねーうちに帰った方がいいぜ」
「そうだねえ、よっしゃバネ送って」
「もとよりそのつもりだけどよ」
「イケメンムーブ」
よいしょ、と鞄を背負う。
雨はそんなに降っていないが風が一番難しい、傘が死ぬので。
「傘差す?」
「あー、これくらいなら行けんじゃねーか?」
「ね、全然行ける」
「でも忍足は電車で風邪ひいちまうぞ」
「大丈夫元気だから」
パラパラ、と小さい雨粒が降ってくる。ちょっと顔周りに降ってくるのが鬱陶しいけれど。
「明日の課題なんだっけ」
「俺に聞くなよ」
「数学のワーク、56ページから58ページでしたー。忘れないでね」
「助かる、マジで俺は覚えてねえから」
「バネマジで爆睡してんだもん」
授業、つまらないなーと横を見ると完全に首が落ちてるバネが目に入る。
課題とかも大体把握していないので私が伝達係となっているところは、ある。
「台風いつくるんだっけ」
「あー、今日夜?明日?じゃなかったか?」
「犬を中に仕舞えバネ」
「たりめえだ、帰って散歩したら中に入れる」
「散歩はするんだ……」
「散歩好きだからな、雨でも関係ないぜ」
まぁ、バネも雨関係なく走りに行きそうだしな、と前髪を払いのけながら考える。
あちいな、と半袖のシャツを捲るバネの腕が眩しい、その筋肉ほしい。
「無事駅に辿り着いた、のでがんばって帰るわ」
「ん、気をつけろよ。家ついたら連絡、な!」
「見ないじゃん、私もだけど」
「忍足との連絡、最後が変な雲の形だぞ」
「わぁ、1週間前」
バネと分かれて電車に乗る、若干濡れた体に電車の冷房が効く。
サムズアップの写真をバネにおくりつけといた。
***
「台風やな」
「氷帝は休校?」
「おん、部活も休みや」
「そりゃあなあ」
私立と違って六角は連絡来るのは遅い、のでみんなに連絡したほうが早いまである。
「ちょっとバネに聞くわ」
「……なぁ、やっぱ付き合うとるんか?黒羽と」
「キショ、そう言うこと言わんでくれる?マブなだけ」
「ほーん、そう言うことにしといたるわ」
バネに電話を掛ける、朝早いがバネはトレーニングとかで起きてるだろう。出るかどうかは定かじゃないがこれで出なかったら都ちゃんに連絡だな。
『よっ』
「起きてた、学校ってどんな感じ?」
『あー、2時間目までは休校なったけどな、連絡まだ行ってねえか?』
「連絡まだだねえ、了解ー。っていうか午後だけあっても行くのがめんどくさいな」
『ま、俺は忍足に会えねえのつまんねえけどな』
「うっわ、聞いた?今の、ドキドキしちゃった」
「なんの話やねん」
『うわ、兄貴いんの?やめろよそんなところで電話すんの』
「リビングだし、えっていうかバネは?走りに行かないよね」
『流石にな、筋トレしてもっかい寝るかって思ってたところ』
「私も寝よ、ありがとねバネ」
『ん、またな』
2時間目までは休校、3時間目から授業だとしてもやる気ないから休んじゃおうかな。
「ええな、青春」
「まじできしょい、私寝るから」
「ほんま自由なやっちゃな……」
自室に戻り、ばふっとベットに飛び込む。
1時間後、目が覚めてバネからの連絡で1日休校になって大喜びする私が、爆誕する。
乞うご期待。