「国光、インスタやってる?」
「インスタ……?」
「私がタグ付けしたいからアカウント作って欲しい」
「よく分からないがわかった」
「教えるから携帯だして」
アプリをインストールさせてアカウントを作らせる。完全に私のエゴだ。
「ほらポジティブにさ、プロになったらこういうのしといたほうがファンサービスにもなるよ」
「必要としてはいないのだが」
「ファンはこう言うの求めるんだよ」
「ふむ、そんなものか」
kunimitsu、と書かれたIDに笑いが漏れるそのままじゃないか。
早速調べてフォローすればフォロバが返ってくる。うん、なんだかんだ使えるんじゃないか?
「試しに写真でも撮っておこうか」
「写真は不慣れなのだが」
「知ってる、待って腕が短くて足りん」
「俺が持とう、どうすればいい」
「画角に私と国光が収まればいい、そこの丸を押せばシャッターが切れるよ」
「こうか」
「私も国光も真顔じゃん、でもいいか」
早速ストーリーでタグ付けをする。真顔ツーショと一緒に。
「そういえば写真撮ったの初めてじゃない?」
「……アルバムとかにはありそうだが」
「確かに、でもまぁ記念だよ記念」
「そうか」
国光の顔に可愛いスタンプはりつけよー、と画面を睨み付けていたら横からパシャリ、とシャッター音。
「ん?」
「人物を撮ったのは久々だ」
「今の国光?」
「ああ」
「私撮ったの?」
「ああ」
「悪用しないでね」
「勿論だ」
これだ、と可愛い猫のスタンプ。国光に貼り付けると真顔との差が凄まじくて笑いが漏れる。ゆけストーリー。
「む、なんだこれは」
「ストーリーって言って1日で消える内容のやつ」
「俺の顔になにか書かれてるぞ」
「可愛いでしょ、スタンプ貼り付けてみた」
「真梨にはないのか」
「国光が可愛ければ良いです」
「……そうか」
「ちなみにストーリーは1日で消えるけど、投稿はずっと残るよ」
「これは残るのか」
国光に見せられた画面には 初めてみた。 と一文しかない投稿画面。めちゃくちゃ笑ったが国光らしい。
「うん、それ残るよ。でも消そうと思えば消せるから安心して」
「ではこれはこのままで行こう」
「おもろ」
***
「手塚、インスタ始めたんだって?」
「インスタ……ああ、真梨に教わった」
「京極さん?幼なじみだったね」
「だが多分メモに使われている」
「どう言うこと?」
「メッセージ、という画面に食材や買うものを送られてくる」
「……よく、手塚と仲良くなったね。京極さんって」