些細な一歩が全てのソース

・ワンマガ(ノベルA)キャラ
・詳細不明部分は捏造
・若干の獣姦,小スカ要素あり
・「マタタビかけたエースをコタツが入った檻に入れよう」「すんでのところでデュースが助けてくれる」っていう呟きに尾ひれが付いたことによる話のためシチュの詳細は不明

以上、何でも許しせる方向けです。


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檻から抜け出すより、錠が掛かる音が無残に響くことのほうが早かった。海楼石製の檻はいくら揺すってもびくりともせず、全身から力を奪っていく。
鍵を手に距離を取る男は、エースにマタタビを振り掛けてこの檻に閉じ込めた男だ。力なく伸ばした手は、すんでのところで届かずに空を切った。

先に檻に入れられていたのは、同じ船に乗っているオオヤマネコのコタツだった。コタツはライオン並の体長と狂暴そうな見かけに反して鳴き声が可愛いのが特徴だ。可愛い声で鳴いては、恩人であるエースに擦り寄り喉を鳴らして愛らしい姿を見せているのが普段。
それが今では、エースから香るマタタビの匂いに我を失い、グルグルと唸り声を上げてエースに飛びかかっていた。

「ウゥ〜、フーッ、」
「うわっ!コタツ!ちょっ落ちッ、落ち付けって!」

エースは身を翻して逃げるが、狭い檻の中では満足に動けないし、興奮しているコタツには静止の声さえも届かない。威嚇するように炎を出せども、エースのその温度に慣れているコタツは怯むことがなかった。構わず向かってくるコタツに、反射的に炎を納めたエースはたやすく押し倒され背中からのし掛かられた。

「グ〜〜ふッ、フっ〜」
「ッ!イテっ!」

エースは背中に突き立てられた爪に眉を寄せた。自身が炎となれば傷付くことなどないのだが、コタツの身を案じて炎になれなかった。

「バカっ離れろ、燃やしちまう……!」

コタツはマタタビによって自己を失っていた。本能を剥き出しにして襲いかかる様子は、エースがよく知っている仲間であるコタツではなく、ただの見知らぬ獣のようだった。
長くザラついた舌がエースの背中を下から上へと舐め上げる。マタタビを摂取し、より一層興奮をしたコタツは、エースの体にその巨体を力強く擦り付けまた舌を出した。
背中に首に耳に、急所とも性的に敏感な部位とも言える部位を刺激されるエースの体には、グッと力がこもる。
与えられる刺激に耐えながら身を守るように体を丸めるその心内では、いつ噛まれてしまうかと恐怖をしていた。
通常サイズの猫でさえ人間の指を引き千切れる程のパワーがある。それがこのサイズとなれば、ほんの僅かな力で人間の首など噛み砕かれるだろう。牙を突き立てられてしまえば、条件反射でこの身を炎へと変えてしまうことは必須。その炎でコタツを傷付けてしまうことだけは絶対に嫌だった。

「ぁ……くび怖え、ゃだ……コタツっ噛むなよ…!っ、燃やしちまう」

そんなエースをよそに、コタツはさらにエースへと迫り、容赦なく首筋に舌を這わせた。執拗に舐め上げては、鼻先を髪に埋めエース自身の匂いを嗅ぎつけて腰を押し付ける。

「ふっ…ッつ!」
「ゥゥう〜、」
「っ!ぇ、え……こ、コタツ…なに……」

布越しに感じた熱にエースは体を硬直させた。擦り付けられる棒状のそれが何であるかなど、見なくても理解できた。エースの顔からサッと血の気が引いていく。それと同時にエースは身の危険を察知した。
逃げるようにコタツの下から這い出ようとすると、コタツはエースの首を開いた口で咥え込むようにした。噛み付いたわけではないが、涎に濡れた牙がエースの肌を掠める。エースはその感覚に「あッ」と声を上げ動きを止めた。続けてその口からは、緊張と恐怖で速くなった吐息が吐き出される。首を覆われ、コタツの興奮しきった息使いを感じながらも、エースの意識は尻に当たる猛々しい男根にあった。

「はぁっ、はッ、ぁ、…ぅ、んんっ!」
「フーッ!フーゥウっ!」

開かれたままの口からは次々に涎が垂れ出し、エースの体を濡らしていく。多少の粘性があるそれが首元から伝い、背中と胸元へ分かれて流れていく感覚にエースは刺激され、体をフルリと震わせた。
首を咥え込まれたままザラついた舌先を這わされる。うなじへの刺激にエースは「ンあァ!」と一層甘い声を上げた。エースは、そろそろと自身へと手を伸ばし、すっかり熱を持って勃ち上がってしまっているそれを隠すように触れる。そばかすが乗るその頬は赤くなっていた。
大切な仲間のコタツの前でこんな姿。最低だった。この状況で勃起してしまっている自分の愚かさに涙が滲みそうになる。

「コタツ、コタ……」

それでも涙は見せずに、首からコタツの牙が離れたところで。エースは伏せっていた体を持ち上げ、振り返りながらコタツの名前を呼んだ。
少しは落ち着いたかと思ってたエースだが、コタツは未だに興奮状態にある。むしろまだまだ、頂上に登り詰める手前だ。
コタツは上半身にかかっていたマタタビから、下半身のものへと狙いを変えた。目の前に突き出された尻を掴むように立てられたコタツの爪は、エースのズボンを引き破いた。

「ばかっコタツ!ダメだ!やめろ…!あ!…ゃ、んぅ!」

コタツの額に手を伸ばし止めようとしたエースだが、露わにされた陰部に鼻先を突っ込まれるほうが早かった。押し上げられ、反動で肩を床に落とす。尻だけ高く上げる体制となったエースは、そのままコタツに陰部を舐め上げられた。

「ひッ!……いゃだッ!ぁ…あンッ!ふぅ、んん!」
「ゥウウ…フっ、フゥっ」
「あぅ、ん、っ」

後孔や睾丸を濡れた舌で舐められ、ぴちゃぴちゃと卑猥な音が立った。エースはその直接的な刺激と耳からの刺激受け、否応なく溢れる声と生まれる快楽に指を噛んで耐えようとした。
しかしながら、そういった刺激に慣れていない素直な若い体では、そう耐えられるようなものでもない。次第にエースの歯は指から浮き、開けっ放しになった口からは喘ぎ声が溢れ出た。

「ッあ、あぁっ!は、ぁうう、っあぁ、あッ!」

止まらない刺激を受け、エースは次第に絶頂へと上り詰めていく。耐えたはずの涙がじんわりと滲み瞳を覆った。それでも達してしまうことは避けたくて、エースは自身を握り込んだ。

「ぃや、もっあ…あ!こたつ、こたッ…やめッ、やめろっ」

コタツはエースの手の動きに反応した。エースの手を追いかけ、行き着いた先を覗き込むと、鼻先を押し当てる。エースの手に付いたマタタビをひと嗅ぎし、その手を舐め上げた。

「ッ!ぅうんんッ!」

必然的に陰茎と同時に舐められることとなり、エースは腰を跳ねさせた。そ自分の手以外からのそこへの刺激は初めての経験だった。

「ぅあぁぁ!ッ…ぁ、あぁ!」
「フッ、ふ…、」
「あッ!ゃあっ!やめっ、ッ!んんッ!ぅ、イっ…くッ!」

先走りが溢れる先端部分をまるで給水器からの水を飲むように、ピチャピチャと音を立てて舐められ、エースは程なくして絶頂を迎えた。

達してしまったことによるショックと脱力感を受け、エースはその場に力なく横たわった。未だに脚の間に顔を入れ込んで鼻を鳴らすコタツに、腰をビクつかせ喘ぎ声をこぼしながらも、精一杯の抵抗としてその頭を力なく足で押す。
そして息を切らせながらコタツに呼び掛けた。

「コタツ…も、離れろ……こたつ…、もうやだ……やめろ、」

仰向けになったことにより、エースの胸がコタツの前に現れた。コタツがいつも擦り寄っている胸だ。コタツは何よりもエースのこの胸に擦り寄り甘えることが大好きだった。
興奮して理性が飛んでいる状態でも、その記憶は残っている。エースの制止の声は聞こえていないコタツは、いつものようにエースの胸に擦り寄って喉を鳴らした。
コタツにとってそれはいつもと同じ甘えるための行為だったが、エースからしてみればまるっきり違う。恍惚とした顔をして力強く擦り寄られる行為は、今のエースにとっては捕食されるようであり、恐怖でしかなかった。
エースの体からまだ微かに香るマタタビを摂取するように、コタツは舌を出す。

「ああっ!んっぅ…ふっぅ…」

コタツの舌が胸の飾りを掠めると、エースは体を跳ねさせた。その体は達したばかりで敏感になっていた。
エースはコタツの頭部に腕を回してしがみ付き、淫らかな声が漏れ出しそうになる口を隠すようにコタツの胸元に顔を埋めた。

エースに抱きつかれたことが純粋にうれしかったのか、はたまた触られることが気持ちよかったのか、コタツはより一層喉を鳴らす音を大きくした。
余計に興奮をし始めたコタツは、エースの体に自身の男根を激しく擦り付けていた。コタツのそれは達したあとも続いた体への刺激のせいでまた緩く勃ち上がっているエースの自身にも触れる。その度にエースは唇を噛み、喘ぎ声を押し殺した。

「んっふゥ……ンっ、んんっ!」
「ぐゥゥ、ゥゥ…フッぅぅう」
「え……」

じわりと、ふいに感じた水に濡れる感触にエースは目を見開いた。次第に水量が増していく感覚と、ツンと鼻に付くにおい。慌てて下腹部を覗くと、コタツがおしっこを漏らしていた。

「へっ!?は…ぁ?……ぇ、え、コタツ…!?なに、なにやって…なに…?」

体を濡らすコタツのおしっこに、エースは困惑して距離を取ろうと後ずさる。コタツは意識がはっきりしていないようで、おしっこを出し切るまでその場に伏せっていたが、我に返るとすぐにエースを追いかけて行く。
逃げを打つエースの背中が海楼石製の檻に当たり、脱力している間にコタツはまたもやエースに飛びかかった。
そして、エースは後孔に猛々しい男根を押し付けられる。「……え、」と、信じられないと言っている顔をコタツに向けれども、その意思がコタツに伝わるわけがない。さらに力を込められたところで、エースは焦ったように首を左右に振った。

「や、やっ、ぁ……うそだろ…こ、こわ、ゃ…ムリだっ、むり…!コタツ!」

エースは泣き出しそうな顔をして必死にコタツを押しのけようとした。しかし、背中にある海楼石に力を奪われ、ろくな抵抗になっていない。

「ぁっあ……なに…ゃだ、ゃ」

コタツの男根がエースの後孔を割り開こうとしているその時、檻の外から何かがぶつかる鈍い音と呻き声が聞こえた。「エースっ!」と呼ばれる声にエースが振り返れば、檻の外にデュースが駆け寄って来ていた。背後には、横たわって伸びている男。傍らには壊れたビデオカメラが転がっていた。一部始終を撮られていたことにエースが気が付いたのはこのタイミングだった。
本来であれば憤りや悔しさ羞恥を感じるべきところであるが、今のエースにはそんなことに構っている余裕はない。エースの視線は、すぐに檻に掛かる鍵を外そうとしているデュースに向く。

やがてデュースは檻の扉を開き、中に飛び込んだ。
その中の惨状を目の当たりにし、エースになにがあったのか、デュースは一瞬で状況を把握する。思わず立ち尽くし、眉を寄せて顔をしかめた。

「デュー…スっ!」

力なく伸ばされた手にハッと我に返ったデュースはその手に駆け寄り掴み、傍らに膝を付く。

「エース!大丈夫か!?」

デュースに顔を覗き込まれたエースは、不安げな色を浮かべているデュースの目を見る。デュースの目からは自分を心配してくれていることが伝わってきた。感情を読み取れることと、手をぎゅっと力強く握り込まれることによる安心感から、エースはか細く息を吐いた。
その間にも、コタツはエースに男根をねじ込もうとしていた。濡れそぼっているとはいえ、エースのそこは一度も異物を鍛え込んだことがない。押し付けられることにより後孔はヒクつき、先端部が入り込みそうなりながらも、その太さ故に挿入までには至らない。

「コタツっ、おい、やめろ!」
「グ〜、ッ!」

デュースは、コタツとエースの間に割って入り、遠ざけようとするが簡単にはいかない。ふたりを引き剥がすために伸ばした手は、前足で振り払われれしたった。
やはりこのやり方は賢くないと判断したデュースは、小瓶を取り出した。液体が入っている。殴り倒した男の衣類を探って、鍵を取り出す際に見つけたものだ。同様のものが数個あったうちの一つを念のためにくすねていた。デュースは小瓶の中の液体を外した手袋に垂らし、コタツの気を引くように鼻先に掲げてから遠くへ投げると、コタツは投げられた手袋を追い駆けていった。

うまく誘導できたことにデュースは一瞬だけ安堵を浮かべた。それから手早くロングコートを脱ぎ、エースの体を包んでいく。エースは、マタタビの染みた手袋に夢中になっているコタツを見つめながら放心しているようだった。
その様子を不穏に思いながらも、デュースは「一先ずここから出るぞ、立てるか?」と訊ねる。エースからの反応はない。

「おい、エース…しっかりしろ、エース!」

デュースは肩を揺すって何度か呼びかけた。エースはうんうんと小さく頷くが、動き出すことはなく、見開いた目からは涙の膜が張っていた。心ここに在らずといった様子だ。
痺れを切らしたデュースは、エースを抱きかかえて檻から出る。コタツには悪いが、彼は檻に閉じ込めたままにした。デュースにとって、コタツよりもエースをどうにかすることのほうが優先度が高い。コタツは、マタタビの効力が切れて正気に戻れば、すぐに出してやるつもりだった。

「エース……大丈夫か?」

檻が置かれていたのはコンクリートで囲まれた無機質な部屋の中だ。その壁にエースをもたれ掛けさせ、デュースは呼びかける。
汗なのかコタツの涎なのか、濡れて額に張り付いているエースの黒髪を指で払い、そしてそこからエースの体へと視線を下ろしていった。
エースの濡れている全身は艶めかしく淫らに光っていた。牙や爪が掠めたのか、所々に切り傷があった。それを痛々しいと思う反面で、デュースは起立して主張をする胸の赤い飾りに、どきりと性を駆り立てられた。そして同じように勃ち上がっているエースの陰茎に視線が釘付けになった。すでにあらゆる分泌液に濡らされているにも関わらず、その先端からはぷっくりと先走りが溢れ出ようとしている。
その卑猥さに、無意識に生唾を飲み込んだ。同時に、エースに対して恋心に似た感情を抱いている心臓の鼓動が増す。
デュースからの視線に気が付いたエースは、隠すように足を閉じた。あっとなったデュースがエースの顔に視線を戻すと、赤くなっている目と視線が合った。エースは鼻をすすり、「最低だ」と小さくこぼした。

「コタツはただマタタビに興奮してじゃれてただけなのに、おれ……感じて……イっちゃって……最低だ……」エースは消え入りそうな声で言って、また涙を流した。「コタツ、コタツは大丈夫かな……あいつあのままになっちまったりしねェかな……」
「なに言ってんだよ……」

言いながら檻の中のコタツに目を向ける。コタツは強く香るマタタビの匂いに息を荒げ転げ回っていた。その様子を見てエースは不安げに眉を寄せた。

「あんなコタツ見たことねェ……つらそうで心配だ」

続けてエースは抱える膝に額を乗せ「……おれが、おれのせいだ」と震え声を吐き出した。
縮こまり肩を震わせながらも、コタツ、コタツがと繰り返すその健気な姿に、デュースは胸を痛めた。

「あ……デュースも、悪りィな……コート汚しちまって……」
「いいよ……気にすんなよ……、コタツよりおれはお前が心配だ…その、痛いとことかねェか?」

デュースは、顔を上げたエースの頬をコートの袖で拭った。ついでに涎に濡れている首筋にも袖を当てると、エースは身動ぎ「んっ」と熱のこもった声をこぼす。
少しの間があって、エースは羞恥心に頬を染め膝を抱え込んでいく。一方で、デュースはエースのこぼした喘ぎ声に更に体を熱くさせていた。

「デュース……悪い…向こう行ってくれ、大丈夫だから」
「あ…、そうだよな」

あっちへ行けと言わんばかりに手を振られ、デュースは言われるままに立ち上がりかけた。しかし、その次にはぎゅっと縮こまっていくエースの様子を見て思いとどまる。
なんとなく、デュースにはエースが何を考えているのかわかった気がした。見たことのない姿のコタツを辛そうだと思う反面で、その姿が怖かったのではないかとデュースは考える。もちろん恥ずかしさに縮こまっているのもあるだろうが、それ以上に怖くてそうしているのではないか。そうだとして、本当にひとりにして大丈夫か。
いくらか迷ったデュースは、意を決するとエースの手を掴んだ。その手のひらを自分のものへと触れさせる。 そこが硬くなっていることに気付いたエースは、眉根を寄せて顔を上げた。

「……デュース、勃ってんのか…?」「そうだよ、エースを見ておれもこんなになってんだ……最低だろ?最低だよな?」

そう言ってデュースは自嘲する。エースは怪訝な表情をしたままデュースの言動の真意を探っていたが、やがて吹き出し「お前、コタツと一緒だぞ」と苦々しくも笑みを見せた。

「エースもな……こんな状況で勃っちまってんだから、同じだ」
「ハハ……ちげェねェ……」

「同じだな」とデュースの言葉を繰り返すエースは、変わらず苦い笑みを浮かべていたが、少し力が抜けたようだった。その様子にホッと息をついたデュースは、エースの閉じられた脚を割り広げる。未だに首をもたげているエースの陰男根を露わにすると、手を這わせた。 焦り困惑するエースがその手を抑えるが、デュースは構うことなく握り込んだ。

「ッ!ぁ…なっなんでっ!やめろって」「いいから……やらせろって」「でゅ、デュースがこんなことする必要ねェよッ……あとで、自分でできる、やるから」
エースは言うが、デュースは聞き入れずに握りこむ手を動かす。 すでにベトベトなそこからは、少し手を動かすだけでくちゅりと水音が立ち、エースは眉を寄せた。
一方でデュースは真剣な目をしていた。その迫力に押されたエースは、デュースの手を放しその愛撫を受け入れる。 デュースの手の動きは緩やかなものだった。少々の焦ったさを感じるが、それ故に安心して身を任せられる部分がある。エースはデュースの様子を伺いながら、さらに余計な力を抜いていった。

「……1回イッたんだよな?」

デュースの問いに、エースは言葉を詰まらせる。なんと答えようかと思案してやがて小さく頷いた。

「仕方ねェだろ、コタツが……」「は?コタツが?」デュースは訝しげな顔を見せる。「……コタツになにされたんだよ……」「舐められただけだけど、でも…でもよ」

エースはコタツの熱くザラついた舌の感触を思い出して頬を赤らめた。同時にデュースが握っている男根がヒクついた。
それだけでエースが何を想像したのかデュースには察しがついた。思わずムッとして口元を歪めた。

「こんなとこまでマタタビ掛けられたのかよ?」「ちげェよ、多分おれの手に付いてて…それでだろ……」「ふぅん……他には?」
「え…ッ、ンンっ!」

デュースは弛めに握っていた手に少し力を込めた。普段、自分で処理をしているくらいの力加減だ。それに加えて上下に扱く動きも早め、エースを追い立てていく。

「……エース、」
「ふっ…ん、デュース…」
「他にはどこをどうされたんだ?」
「ぇ……、」

目を閉じ与えられる感覚に集中しようとしているのに、しつこく掛かるデュースの問いにエースは目を開ける。思ったよりも至近距離にあったデュース瞳に、思わず身を引き表情を固めた。じっと見つめられることに対して怖いとは思わなかったが、無視も言い逃れもできないような雰囲気はあった。まるで不機嫌にわがままを言われているような感覚だ。

「他だって」
「他も何もべつに……胸舐められただけで」

デュースは言われてエースの胸に視線を落とした。それで乳首が赤くなって立ち上がってるのかと理解すると同時、胸への刺激で感じているエースの姿を想像して興奮もしていた。体に熱がこもっていき、デュースは額に汗を滲ませた。
ムッとして苛立ったりカッとして体を火照らせたり、コロコロと変わってしまう自分の内情を忌まわしいと思いながら、唇を噛む。やめておくべきであると、冷静な自分も頭の片隅のどこかに感じるが、今はそれに従いたくはなかった。

「エース……コタツばっかりずるいよな」

デュースは肩に掛かる控えめな抵抗に抗い、エースに迫る。エースの背中に手を回し胸を突き出させるようにし、デュースは赤く主張している突起に吸い付いた。

「んっ!デュっース!あ…!」

先端を舌先で優しく押し潰されたかと思うと、立ち上がらせるように少しの力を加えて舐め上げられる。吸われながらそれを繰り返され、エースはビクビクと体を震わせた。
感じさせることを意識されたデュースの“愛撫” に、エースはコタツに舐められた時以上の感覚に襲われていた。ジンジンと奥から響いてくるような感覚に戸惑い、反射的に背中を丸めて離れようとするが、背中に回った手に阻まれて中途半端な抵抗としかならない。

「なんだよ……ここが気持ちいいのか?」
「んあっ!わっかんねッ、」

口を離したデュースは、下から覗くようにエースの顔を見る。片手で背中を抑え、もう一方の指先で乳首を潰すようにして引っ張ると、エースは自ら突き出すように背中をしならせた。
気持ちいんだろ、と思うがデュースは声には出さなかった。コタツの前でもこんな姿を晒したのだと思うと、やはり面白くない。

「あ、そこ…」

あまつさえ挿入しようとしていたコタツを思い出し、デュースはエースの後孔に指を一本突き立てる。きゅっと閉じられていた後孔であるが、元々コタツに刺激されていたためか、デュースの指くらいは簡単に挿れられることができた。

「…っ、」

ゆっくりと抜き差しをして馴染んできたところで指を折る。異物感しか受けていなかったエースは、内壁を押し上げられる感覚に微かな反応を見せた。デュースは握り込んでいる陰茎の扱きも再開させ、同時に緩やかに攻め立てていく。

徐々に指を増やし、柔らかくなったところで、デュースは自身をエースの後孔にあてがった。ひだを引いて入り口を開き、腰を押し進める。慣らしていくらか柔らかくなったそこは、ゆっくりではあるがデュースのものを飲み込んでいった。

「ひッ、ぃ、あっあ…っ」
「っ…ぅあ、」

根元まで入り込むと息をつく間もなく、デュースはさらに奥まで入り込むように加重を掛けていく。

「はー…、あ、ぁあー…ッ」

押し入れられる反動によって息を吐くために大きく開けられた口は、デュースには自分が押し入る感覚を逃しているように見えた。
衝動的に出口を塞ぐような感覚で、デュースはその口を自分の口で覆う。

「んーっ!ふっ!…ン、ぅ…っ!」

エースは背中をしならせもがき、息苦しさから逃れようとするが、デュースは舌を絡ませ吸い付くことをやめない。
次第に抵抗が弱まり、エースが生理的な涙を流し始めてもデュースはやめなかった。正確には自制が効かずやめられないと言ったほうがいい。エースとのキスはそれ程までに興奮した。加えてエースがくぐもった声を漏らすたびに後孔が締まる。ぎゅうぎゅうと締め上げてくるエースの中で、デュースのものはさらに大きさを増していた。

「ンンっ!…ぅ…ゲホッ、ぅえッ、ェっ!」
「ッ!……ごめッ…!やめらんねェ…」

口を離した途端に咳き込み息を切らすエースを、デュースは苦しそうだと感じた。罪悪感があって謝罪を口にするが、それでもここでやめることはできなかった。

「はぁッ、はー、ぅンン…苦しッ、デュースっ」

眉を寄せて必死に浅い呼吸を繰り返すエースは、デュースの首にしがみつくと顔を埋めた。
デュースは頬に触れる黒髪にそのまま擦り寄ると「悪い…、平気か?痛くはねェか」と今のデュースにとって精一杯の気遣いを問う。小さく頷く頭に再度頬を寄せてから、デュースは体を倒してエースを床に寝かせた。首に巻きつく腕を解き、腰を引いていく。

「ぅあぁ……あっ、」

ぎりぎりまで引き抜き、あらためて最奥まで挿入する。奥を突き上げると、肉壁がぎゅうと締め上がった。それを何度か繰り返し、馴染んできたところでデュースは本格的な律動を開始させた。
ガクガクと腰を打ち付けられ、繰り返し出入りするそれにエースはただ、揺さぶられるままに声を上げることしかできない。

「あっ、あ、ぁあ、ッン、ぁっア!」
「は…気持ちぃ」

結合部からあふれる卑猥な水音と耳を塞ぎたくなるような上擦った自分の声が反響する中で、エースはデュースの声を拾った。
何も考えることができなかった頭に、「気持ち良い」という単語が浮かんだ。そういえばさっきも訊かれたかと、ぼんやりと思い出す。ああ、これは気持ち良いという感覚なのか、気持ち良いといえばいいのかと、認識していく。途端に、変な感じと苦しいとしか認識していなかったものが、鮮明になってエースの体を駆け上った。そしてデュースを真似るようにしてそれを口にしていた。

「気持ちいっ…ふっ…ぅ、ァ、あっ、きもちッ」
「っ!エースっ!煽るなよッ!」

もうこれ以上はないと思っていたものが、また大きくなったような気がした。デュースは堪えるように息を詰める。少しでも気を抜いたら達してしまいそうだった。
動きを緩い律動にシフトさせたデュースは、エースの顔横に手を付きその顔を見つめた。眉間に皺が寄っているその表情は険しいものだが、必死に呼吸をしてその合間に気持ち良いと紡ぐ姿を純粋に嬉しく思う。今だけは、エースを思いのままにしているのは自分だけだった。
エースの顔を目に焼き付けたデュースは目を閉じ、また律動を開始させた。

「んッぁ、ッは、あ、っふ、ぅ、でゅ、デュースっ、でゅー」
「あ?」

呼ばれたデュースは目を開け、エースと目を合わせる。エースの薄く開いた目は熱にとろけているようで、また煽りを受けた。
エースの熱い手がデュースの頬に伸び、軽く抑えられる。

「デュースっ、気持ち、ぃいか?」
「〜〜ッ!」

浅くではあるが、数度深呼吸をしてゆっくりと紡がれた台詞に、デュースは唇を噛んだ。お前は本当に、なんてことを訊いてくるのだと、反射的に怒り声を上げそうになるが、「なぁ」と催促してくる声に絆されて出てきた台詞は「気持ちいいよ」だった。敗北したような気分だ。思いのままにできたところで、自分は結局エースには敵わない。
初めからエースの上に立ちたいわけではないのだから、デュースはそれで構わなかったが、だとしても男として悔しいと思う部分はある。
デュースの返答の仕方は、ちくしょうとでも言うような、全く納得がいっていないものであったが、それでもエースは「そうか」とホッとしたように穏やかな笑み見せた。

「へへッ、おれもだ」

はにかむように笑ったエースに、デュースはトドメを刺されたかのような気分になった。いや、実際にトドメを刺されていた。エースが見せたその顔は弓矢そのものだ。似た感情だと思っていたものが、恋心としてはっきりと自覚させられる。射止められた部分から、観念したかのように自分はエースが好きだという感情が溢れ出そうになった。

「……エース、」

無意識に好きであると吐き出そうとしていたデュースの口は、名前も呼び終わららぬうちにエースに塞がれた。差し込まれた舌が絡み、舌を吸われる感覚にデュースはゾクゾクと快楽を掻き立てられる。

「ッ!まて…エースッ、はな、んッ…ィク、から、」
「んっ」

達するためにデュースは腰を引こうとするが、エースはしがみついたまま離れない。それどころか、離れた口を追うように頭を上げるとまたキスをする。デュースはそれを拒み切れず、仕方なく舌を絡ませエースに応じた。
デュースの舌がエースの上顎を掠めたところで、後孔がぎゅっと締め上げられる。すでに限界まできていたデュースは、その刺激によって達してしまった。

「あ…ぁ、…ァ、あァ」

中に熱いものが吐き出される感覚に、エースは虚ろげに喘いでまた後孔をヒクつかせる。搾り取られるような中の動きにデュースは抗うことができず、そのまま中に出し切ってしまった。

「っエース!……悪いッ!」

デュースが深く長く詰めていた息を吐き出し、ひと息付いたところでエースが達していなかったことを思い出した。
挿入してからは一度も触っていなかったし、自分の事しか考えていなかったことにデュースは冷や汗が流れた。本当にエースは気持ち良かったのか、実際にはそうでもなかったのではないかと、デュースは焦り「いま抜いてやるから」とエースの男根に手を這わした。
一度欲を吐き出すと、途端に頭が冷静になってきた。辺りの惨状と自分がしでかしたことを認識していくに連れ、血の気が引いていく。自覚した恋心など片隅にすらない。ああ、やばい、取り返しの付かないことをしてしまったと、そればかりが頭の中を占めていた。
俗にいう賢者タイムに入ったデュースは、とにかくこれを処理してやって、お互い今日のことはなかったことにしよう。そうしようと自分自身に強く言い聞かせる。

「ごめんな、エース、おれ……おれもマタタビの匂いにあてられちまったみてェで……ほんと、コタツと一緒だよな……ハハ、……あ、知ってるか?マタタビって人によっては人間にも影響あったりするんだよ、いや、吐き気とかそういう悪影響なんだけど、でもホラ、な?だから、」
「……いいよ」

冷静さのかけらもない誤魔化しを口にするデュースに、エースは小さく呟いた。「え?」と聞き返されたエースは、同じことを繰り返し「謝んなよ」と付け加える。

「コタツは怖かったけど、デュースは怖くなかったし……だから、多分マタタビのせいじゃねェよ」

苦し紛れの言い訳を違うと断言するエースに、デュースは顔を引きつらせた。いや、マタタビのせいにしとこうぜ、と説得を口にしようとして、違うとする理由にふと引っかかりを覚える。

「怖くないってなんだよ……お前、怖くなかったら誰に何されてもいいのか?」

怒ったように質すデュースに、エースは違うと首を振る。

「そうじゃねェよ、怖いっていうか、コタツは何考えてんだかわかんなくってよ……でもデュースはわかったし、気持ち良いって、同じだったじゃねェか。それで、怖いのも最低だと思ってたのも変な気分も全部なくなったし、デュースのおかげで助かった、ありがとな」

そう言って笑うエースに対して、デュースは苦笑を浮かべた。複雑な心境だった。
デュースが抱いていた感情は、エースへの恋心だ。おれはお前と違うと、おれの感情にお前が合わせるとしてそれでいいのか、おれと同じでいいのか、おれはと、そんな言葉が喉にからむ。
一方で怖くないと言われたことに安堵と嬉しさが徐々に込み上げてきた。あれでよかったのか、嫌ではなかったのか、それどころかおれはエースの助けになれたのか。
何よりもエースの力になりたいと強く思っているデュースは、そこまで考え至ると、もうそれだけで十分な気がした。

「エースがいいならそれで、おれはなんでも構わねェよ……」肩の力を抜いたデュースは、静かに告げる。「おれは、少しでもお前の助けになれたらそれでいいんだ」

射止められた胸に痛みは感じない。開けられた穴からじんわりと滲む想いは、喉に絡むだけ。仮面を付けた顔で笑みを浮かべることに支障はなかった。







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