可愛いには勝てない

四つん這いになるエースの目の前にはルフィが正座し、その背後ではサボが鎮座していた。
たった数分前までルフィの元にサボを行かせないように体を張っていたはずであるのに、一体何が起こってこんな状況になっているのか。エースには理解ができなかった。

「いいか、ルフィ。混ざるのはダメだ」サボは人差し指を立てて言う。「お前が出て行く気がなくて、兄ちゃんたちと一緒にいたいなら、もうそれでいい。でも、そこで見てるだけだ」
「おれもエースとプロレスしたい」
「これはプロレスじゃない。ルフィもいつか必要な時が来るから、ちゃんと学ぶんだぞ」

ルフィは不思議そうな顔をして首を傾げる。エース同様、ルフィも現状を理解できていない。これから何が始まるのかすら予想が付いていない分、エースより疑問が多かった。
2人は何をしていて、これから何が行われるのか、ルフィがその疑問を質すより先、サボは「そこで見てるんだぞ」と念を押した。

「手はお膝な」
「んー、……わかった」

難しい顔をしていたルフィだが、サボが学べと言うからには、何かためになることを教えてくれるのだろうと思った。サボはいつも身になる事を優しく教えてくれるのだ。言われる通りに握り拳を膝上に置き、「ここで見てる」とルフィは憂いなく笑った。

話が付いた2人の間で、いやいやいや、ねぇから、コレはねぇから、例えあれがそうなって、それがああなろうとも、コレだけはねぇからと、蒼白な顔で言うのはエースだ。
これからの行為を食い止めるには、ルフィを追い出すより、サボを追い出した方が手っ取り早い。そう判断したエースは、一先ずベッドからサボを蹴落とそうとした。
そんな様子のエースに、サボは「ルフィにも女の抱き方くらい教えとかなきゃいけねぇだろ。兄としての責務だぞ」と耳打つ。
エースの顔は一層険しさを増した。何だそのこじ付けは、と反論する以前に「つーか俺は男だ」と答える。

「じゃあ男の抱き方」
「じゃあって……だいたい女の抱き方なんて本能で知ってるもんだ」
「だから男の抱き方を教えてやるんだろ?男は本能じゃどうにもできない部分がある」
「……」エースは眉間に皺を寄せたままサボの話を聞き入れる。「……そっかぁ、そういうもんなのか……つーか、ルフィに必要か?」

やがては納得してしまったらしいエースに対し、サボは顔を俯かせた。そっかぁって何だよ、何で納得すんだよ、と笑い出しそうになる顔を隠すためだ。下向いたサボは、それ以表情を崩すまいと唇を噛んで耐える。
エースの問いに首肯し、表情を元に戻したあとで「必要だって。世の中何が起こるかわからないんだし、ね」とサボが笑って見せれば、エースは釈然としていなさそうではあったが、コクリと頷いた。



「あっ、…ッふっ、ぁあ!」

サボが剥き出しになっているエースの背骨に沿って指先を這わす。すでにサボの唇と手による愛撫で体の熱を高ぶらせているエースは、それだけで敏感に反応できた。甘く鳴きながら背中をしならせる。
その顔は眉根を寄せ感じ入っており、開かれた口からは多量分泌された涎が伝う。しならせた反動で顔が上向いたため、目の前に座るルフィにその表情を晒すこととなった。
ルフィと目が合うと、エースの羞恥心が煽られる。エースは咄嗟に声を押し殺しながらベッドに付いた腕の中に顔を埋めていった。

兄らしからぬエースの表情を見たのは殆ど一瞬だけであったが、ルフィを煽るには十分だった。
見た瞬間、ルフィは自分の心臓部分から血が巡る感覚を鮮明に感じた。その血が主体となったかのようだった。こうしたい、そう思うよりも前にルフィの手はエースの*を包み込み、そのまま引き寄せ抱え込んだ。

「エース……」
「んっ、ぅ、あ」

衝動に駆られるまま、ルフィは手の中にあるエース顔中に口や*を押し付けた。ルフィなりには、サボを真似てエースを可愛がっているつもりなのだろうが、はたから見ればルフィがエースに甘えているようにしか見えない。
汗ばんだ額、火照る*、熱い吐息。エースの持つ熱を、触れ合わせた肌で直接感じるだけで、ルフィの幼さが混ざるエースへの感情はどんどん高まっていく。

「ルフィ……、どうした、つらいか?」

微かに吐息を詰まらせながら擦り寄る仕草は、エースからしてみても甘えて縋られているような感覚だった。エース眉を寄せてルフィの身を案じる。
エースは体制を整えると、ルフィの陰茎がある部分に触れた。熱を持ち、質量が増しているのがズボン越しでもわかる。数度撫でると、片手で器用にルフィの陰茎を取り出した。
あまり弄っていなさそうな、綺麗な色をしたペニスだった。数回扱き上げると、ルフィはエースの髪に指を差し入れる。もっとと、続きを促しているようだ。

「エース!」
「ぃって!」

促されるようにペニスを口に含んだ瞬間、エースは乱暴に後ろ髪を引っ張られた。
力に従い体を仰け反らせたところですぐに力を弱められるが、代わりに肩を掴まれルフィとの距離を取らされる。エースはその力に従うように上半身を起こしそのまま座り込み、サボを振り返った。

「お前、扱いが雑なんだよ、いってぇだろうが!」
「エェスっ!」
「なんだよ」エースは駄々をこねるよな声音を出すサボに眉間を寄せた。「邪魔すんなよ……」

サボはエースの行動が気に入らなかった。自分には滅多な事がない限りそんな事しないくせに、何でルフィばっかりと、むくれ面で抗議をする。

「ルフィは見てるだけって言ったろ」
「だったら離れさせろよ、近過ぎるだろうが!距離が!バカか!?この目と鼻の先の距離でクンクン鳴いて擦り寄って来られてみろ、どうにかしてやりてぇって思うだろ!」
「……だって、目の前でお預けさせてぇだろ、それこそが醍醐味だ。なのにエースから触ったら意味ない!」
「なんの醍醐味だ……」
「触れる距離なのに俺のだからって触らせねぇのに興奮する」

サボの台詞にエースは「興奮しなくていい、そうなるとロクな目に合わねぇ」と苦言を申したが、その台詞はエースではなくルフィに対して言ったものだった。
ルフィに対する牽制だ。エースの肩越しに対峙するルフィは、むっとした表情を作る。

「……とにかく、ルフィには後で俺がやってやるから、エースはルフィに触るのも触られるのも禁止」
「ふざけんな、ルフィに何する気だ。てめぇがルフィに触んな」

エースが出した声は低く唸るようなものだった。
エースはサボの発言から、過去にサボから受けた責め苦を即座に思い出し、同じことをルフィに施すのではと連想した。片腕でバリケードを作るようにし、ルフィを背中に隠そうとするエースは、サボがルフィに触れることを良しとしていない。

サボとしては、エースに変わって自分が抜くだけ抜いてやろとしての発言だ。しかしながら、サボはその気迫にぐっと押し黙った。沸点が低いうえに、相変わらず弟が感情の切り替えスイッチらしい。エースが怒っている。
一気に険悪なムードが立ち込めるが、サボがこれしきのことで根を上げるわけもなかった。だったら、と閃いたサボはエースの首元に後ろから腕を回して纏わり付いた。

「俺もルフィみたいにクンクンすればいいんだろ?」

それからサボは宣言通りにルフィを模範してエースの顔に*を寄せた。

「っうっぜぇー !お前がやったって可愛くねぇんだよ」

エースは擦り付けられ首筋や*を撫でるサボの髪を鬱陶しそうにして顔を逸らすが、その様子は満更でもなさそうだった。止めろ、離れろと言うエースの言葉の節々に、笑い声が挟まれている。

ギスギスから一変してキャッキャし始めた兄たちに、ルフィは置いてけぼりをくらう。しかしながら、ルフィもこれしきのことで尻尾を巻くわけがなく、「エース……」と甘えとはぶてが混ざった声で呼び、エースの手を握った。

エースの気がルフィに向き切るより先に、サボはエースの唇を奪う。唇を喰み、舌を侵入させ、絡め取ったエースの舌を存分に堪能する。そうしてルフィから向けられるはずだったエースの意識さえも奪った。

サボは勝ち誇った顔をルフィに向けるが、ルフィも負けじと対抗する。繋いでいたエースの手を自分の陰茎へと握り替えさせ、先ほどエース自らがやったように見真似で上下に扱かせた。
ピクリと反応したエースの手は、ルフィに動かされるのではなく、自分からルフィの陰茎を手淫していく。
裏筋を親指の腹で少し強めに擦ると、ルフィはその刺激に体を跳ねさせた。

「ッう、あっ!」

エースの手を取り上げようとしていたサボの手はそこで止まる。たった少しの刺激で肩を上下させる弟があまりに初々しく、可愛く見えた。それはエースからしてみても同様だった。弟の敏感さに驚く反面で酷く可愛い。
自分の体に起こった異変に戸惑いを見せているルフィをよそに、2人は顔を見合わせた。

「……な?可愛いんだよ……あとでサボにもしてやるから」
「うー、……手、だけなら……」
「なら、お前も手でいいってことだな?」
「嫌に決まってんだろ」
「……お前が突っ込んでるとき俺の口が寂しいんだよ」

サボがあっと言った時にはすでに、エースはルフィの下腹部に顔を埋めていた。納得仕切れていない部分もあるが、エースとルフィならば主導権を握っているのはエースだ。ルフィがエースをどうこうすることはないだろうし、自分は突き出されたこの尻を好きにしていいのだ。サボはそう言い聞かせ、さっそくエースのハーフパンツを脱がしに掛かった。



水分が混ざり合う音と、3人分の息遣いと時々鼻にかかる喘ぎ声だけが反響している部屋の中。それぞれがそれぞれの行為に没頭していたが、サボに我慢の限界が来た。再びエースの後ろ髪を掴み、口からすっかり起ち上がったルフィの陰茎を出させる。

「っあ、は、ぁっあッサボっ、」

髪から腕へと掴み直し、エースの上体を起こさせる合間も、サボは腰を打ち付ける行為を止めなかった。それどころか、体が起き切ったと同時に、下から突き上げる力を更に強くする。
突かれるポイントが変わり、エースはダイレクトに登り上がる快楽を逃すように声を上げ、背中を仰け反らせた。

「ひっ、ッあっぁあっ!はっ、は、ぁあサボっ、なっ、急にッ、なんっン!」
「ッ!声が聞こえないから……!やっぱり嫌だ、」

サボはエースをベッドの背にある壁に押し付けた。ベッドの背とエースの間にルフィが挟まる。

「サボっ!ずるいぞ」
「悪りぃ、ルフィ、あとでな」

ルフィはサボに抗議するも意に介されずに終わる、というより、自分の欲を追うことに必死になっているサボはそれどこではなかった。
ルフィはサボの意識が自分に向いていないことを確認すると、目の前にある、自分のものより一回り程大きなエースの陰茎に手を這わせた。濡れそぼった鈴口に触れ、指の腹で刺激すると更に蜜が溢れてくる。

「ッん、あっ!」

エースに弄ってもらっていた際、水分があった方が気持ちよかったことを思い出したルフィは、それを塗り広げながら竿を扱いていく。

「あっ、っく、…ぅっン!ッあっあっ!」

サボの律動に合わせて喘ぎ声を上げていたエースだが、ルフィの手淫が加わったことで、そちらへの刺激にも声や体で反応を示した。楽しくなったルフィは、さらにエースのペニスを口内に迎え入れる。

「っ、ンあっ、る、ルフィ…!っあ!」

つたないながらもエースがしていた通りに吸い付き舌を動かすと、エースの背中は大きく反り返った。
その背中にサボが吸い付き、同時に胸の突起に手を這わせた。起ち上がっている突起を指先で転がし、時たま強く摘むと、エースは腰を跳ねさせる。
弱い部分を三つ同時に弄られ、強い快楽を拾うと同時にエースは後孔を締め付けた。

「んっん、…ふっ、あ、はっもっ、やめっ!…っぁあっ!」
「むっ!ぅっ」

締め付ける間隔が短くなっていったと思えば、エースは一際淫らに喘いでルフィの口内に精を吐き出した。
ルフィは驚き、射精途中であるにもかかわらず、口内からペニスを抜いた。そのため、エースの白濁した液を半分程、顔で受けることになった。

「……っエース!ッ!」

エースが達したと同時にペニスを覆う肉壁がうねり、サボの射精を促した。サボも促されるまま、エースの中に熱い欲を注ぎ込んだ。

サボとエースが余韻に浸る中、ルフィは呻き声を上げながら顔を拭っていた。初めて味わう精液の味もおいしいものではなく、舌を出し、口から吐き出していく。

「ぅえ…、ぅっ、にが…!まじぃ、」
「ぁ、ルフィ…!悪い、大丈夫か…?」

エースは我に返り、ルフィの顔を両手で包み込んだ。指でルフィの顔を拭っていき、「全部吐き出したか?」と問いかける。ルフィの顔を上向かせると、彼は口を開けた。
その中の様子を伺うためにエースが顔を寄せると、ルフィはその首に腕を回して更に引き寄せる。エースの口に自分のものを合わせると、ルフィは舌に広がる苦味を緩和させたい一心でエースの口内をかき混ぜた。
エースは驚き一瞬だけ体を固くしたが、すぐに力を抜いてルフィからのキスに応じる。後頭部から側頭部にかけてルフィの顔を包むエースがその指を動かすと、ルフィは擽ったさに笑った。釣られてエースもくすくすと笑い出す。

「ッ!!ルフィっ、エース!!!」

背後にいたサボは2人の行為が許せず、カッとなって叫ぶも、2人がサボを気にする様子はない。2人を引き剥がそうと側面に移動したサボは、2人の様子にまたもやその手を止めてしまう。
鼻根に皺を寄せて仲良く笑う2人は、まるで猫がじゃれ合っているかのようで、引き剥がすなんてことは野暮なことだった。
それでも我慢が効かず、サボは一度引いた手を伸ばし、2人を同時にぎゅっとして抱き締めた。

「かーわーいーいっ!もぉずるいよ、バカ!」



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