貪る唇


「んっ……ぅ、あ…っ」

今、私はシンクの膝の上にいる。
逃げようにも腰と後頭部に添えられた手がそれを許してくれることはない。
それどころか先程から延々とキスを繰り返していて、酸欠に陥った頭では逃げ出すということすら忘れてしまいそうだ。

「ぁ…シン…ッ、ふ、ぅ…っ」

名前を呼ぼうとしても口内に浸入してきた舌にそれを止められる。
角度を変えて改めて入り込んできた舌は私の舌を絡めとり、歯列をなぞって容赦なく口内を蹂躙する。
そのまま舌を吸われれば頭が痺れそうになって、結局シンク以外は何も考えられなくなるのだ。

「ふぁ…っ、ぁ……ぅん…っ」

お互いの舌が絡み合い、粘着質な水音だけが室内に響く。
顎に飲み込みきれない唾液が伝ったが、それすらも舐め取られ羞恥に頬が熱くなる。
しかし再度唇を塞がれてしまえば抗議もできず、唇を舐められて吸い付かれれば瞳を閉じて流されるしかない。

「は…ぁ、っ……ふ、ぅ」

それからどれくらい唇を貪られていたのだろう。
ようやくシンクの唇から解放された私は、ぼうっとしてシンクへともたれかかる。
シンクはそんな私の背中をぽんぽんと叩きながら、笑みを浮かべて耳元で囁いた。

「ごちそうサマ」





すみません、唐突にシンクとちゅっちゅする話が書きたくなりまして…。
欲望のままに描いたら本当にちゅーしてるだけのSSSになりました…

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