結局キミも男の子なんだよ



※してないけど性描写雰囲気のある表現があります。





真っ白の空間に一つのベッドとベッドサイドにある紙切れ。そこに書いてある内容はこれまた馬鹿げているが噂に聞いていた「〇〇しないと出られない」なんちゃら。本当に馬鹿馬鹿しい。こんなことに私達が従うとでも・・・・・・?
そう思って最初は術で抜け出せないか試したがビクともしない。彼女の電撃も効かない。どうやらこれは本物のようだった。

「困ったね・・・まさか本当にこんな空間があったとは・・・私が付いていながらこんなことに巻き込んでしまった・・・すまない」
「憲紀くんのせいじゃないよ。調査と言えど一応任務だったんだし、仕方ないんだよ・・・それよりもここどうしよう・・・って、ん?あれ・・・さっきまで無かったよね」

チラッとベッドの方を見た彼女につられて私も目を向けた。そこには無かったはずの小さな緑色のガラス瓶。
嫌な予感がしたが手がかりが無い以上調べる必要があったため瓶に近づき手に取るとカタカタと勝手に動き出しパリンと割れた。中に入っていたのは少量のガスのようなものだった。幸い遠くにいた彼女にはかからなかったが、瓶を持っていた私は吸ってしまい噎せてしまった。

「え!憲紀くん大丈夫!?なんで勝手に割れたの・・・・・・何さっきのガスみたいなの・・・・・・」
「ゲホッ・・・ぅ、だいじょうぶだ・・・・・・少し吸ったがなんともない・・・」
「で、でもアレがなんなのかわかんないから心配だよ・・・動ける?」
「問題ない・・・だがあまり近寄らない方がいい・・・何か移ってしまえば大変だ。とりあえず様子を見よう・・・」

本当になんだったのかと思うほど何も無かった。そう思っていたが数分もしないうちに体に変化を感じた。熱い。術を使っているわけでもないのに血の巡りが早いのを感じる。なんだ・・・?一人ベッドの端で考えていた時、カサっと紙が捲れる音がした。ベッドサイドにある紙が増えている。近くにいた彼女がそれを覗いた瞬間その紙を勢いよく握りしめた。


「どうした?何が書いてあった」
「あ、えと・・・その、これ見て・・・・・・」

何故か顔を赤くしてグシャグシャに握りこまれた紙を渡された。彼女はこう見えてかなり力がある。紙を破かないようにそっと開いた。




『媚薬ガスにつき即効性。挿入後二回絶頂するまで効果あり』





─── グシャッ ───




見た瞬間紙はまたクシャクシャになっていた。どうりで体は熱いし股下は元気になっているわけだ・・・・・・やられた。幸い彼女が吸わなくて良かったがこのままでは時間の問題だろう。
最初に書かれていた紙に『セックスしないと出られない』と書いてあった。なるほど、どうしてもさせたいらしいが生憎こちらは付き合ってからまだキスしかしていない。自分の理性に自信が無いからだ。私だって男だ。そういう性の感情の一つや二つは持ち合わせている。少しでもその柔らかい肌に触れたらどうなるのかくらい想
像に容易い。ましてや好いている彼女なら尚のこと。困った・・・これはどうたものか・・・。

一人悶々と考えている間にもガスの効果は出てきて、はぁ、と熱い息が出てくる。この状況は良くない。このまま抱いてしまえば出られるのだろうが、そんなことをしたらお互いに傷つくのは目に見えている。何よりこんなところで彼女を抱きたくない。そういうのはもっと自然と・・・。

「憲紀くん・・・・・・」

ベッドの反対側から心配そうにこちらを見ている彼女を見ているのもグラグラと思考を奪われそうだった。
少しこちらに近付いてくる彼女に離れてくれと声をかけた。こんなものに負けられない。そう強く念じてやり過ごそうとしても段々と効果が強くなっきているのがわかる。自分の腰掛けているベッドの反対側からギシッと音がした。「ねぇ、憲紀くん・・・」という声と共に体を支えていた腕が急に重くなった。

ふにっ・・・

まさにそんな音がしそうな程にとても柔らかい感触だった。

「なっ・・・!こら、やめなさい、今すぐ離れ・・・っ・・!?」

私の腕にしがみついて下を向いていた彼女の顔がゆっくりとこちらを見上げて艶のある可愛らしい口が動いた。

「だってっ・・・!憲紀くんずっと辛そうなんだもん・・・さっきの、び、媚薬のせいでしょ?・・・私たち他人じゃないし・・・その、恋人だからさ、大丈夫だよ・・・・・・私も多少知識はあるし・・・だめ、かな・・・・・・?」

こちらを見つめる大きな瞳が不安そうに揺れていたが、それは果たして私に対する心配なのか、それともその言葉の意味する行為なのか・・・その両方なのか。
そんなことを考えている余裕はなく、柔らかい感触も相まって今まで我慢していたものが彼女と目が合った瞬間ブチッと音を立てて切れてしまった。

・・・今まで抑えていた全てから許された気がした。

術を使っている時のように興奮して力のコントロールが上手くできない。いつも壊さないようにそっと触れていた手首と肩を逃がさないように掴んでベッドに押し付けた。息が上がる。ギリギリの理性で最後の確認ができた自分を褒めてあげたい。今すぐ触れたくてたまらない。無意識に顔が近付いてお互いの鼻先が触れそうだった。ギリッと奥歯を噛む。


「・・・っ・・・本当にいいんだな・・・もう、戻れないぞ・・・っ・・・」
「うん・・・憲紀くんとなら、こわくないよ・・・すき」

最後の「すき」は言い終わらないうちに2人の中に溶け込
んだ。ロ付けたあとからはなだれ込むように触れ合った。私の中にほんのわずかに理性が残っていたのか、その後何をしたのか記憶があるのだけは良かったのかもしれない。好きな人との初めての記憶が無いとか最低だ。彼女は忘れて欲しいと言っていたがそのお願いは聞いてやれそうにない。だがあんな所でしてしまったことが悔やまれる。お互いにもう一線を超えたんだ。遠慮はいらない。次こそは・・・・・・。







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だいすき