「無一郎。」

「何?」

無一郎の振り向き様にぐい、と顎を両手で包む。
じっと瞳を覗き込むように見れば、ほやりと無一郎の柔らかな瞳が細められた。

最近記憶が元に戻ったという、光に濡れた瞳孔とかち合う。
奥を覗き込むと、光に反射した淡い緑に魅せられ、私もつられて目を細めた。

「無一郎の目は綺麗だねぇ。」

へにゃ、と情けない笑みを浮かべた私の顔が無一郎の瞳の奥に映る。
親指で頬の輪郭をなぞるように触れれば、その手を無一郎に取られる。

「・・・あんたの、名前の目も綺麗だよ。俺の好きな色。」

ちゅ、と軽やかなリップ音を立てて私の右手にキスを落とす無一郎。
しばらくたってから、じわじわと顔に熱が集まってくるのを感じてうつむくと、
今度はついと無一郎に顎を掬われ、するりと頬を撫でられる。

「名前の、ころころと笑うのも好きだし、蜘蛛見て顔を顰めるのも、照れて
下を向く癖も、俺が何かして危ないとき怒ってくれたり、俺の事本当に
好きなんだろうなって思うし、俺も名前のそういうとこすごく好きだよ。」

糖度満点、蕩けるような笑みを浮かべて毛先に口付けを落とす。

ああ、どうしたって今日はそんなにも。


甘すぎて顔が上げられないや!

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