深夜の着信音。見知らぬアドレスからのメール受信。


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Sbj : (no title)
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ありす、明日夜決着をつけてくるわ。
member listにあなたの名前がなかったから、
今回は別のようね。
幸運を祈っていて。

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早朝、まだ外も薄暗い時間帯。
赤井は滅多にないありすからの着信で目が覚めた。

「赤井さん、おはようございます」
「あぁ、ありす。どうした」
「申し訳ないんですが、赤井さんの車に忘れ物したみたいで。大学に行く前に寄ってもいいですか?」

ありすから電話でコンタクトを取ってくることは珍しい。本当に忘れ物なのか、何か話でもあるのだろうか…赤井は考えを巡らせる。

「…いや、俺がそっちに行こう。大学まで送る」



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マンションの路肩に車を停めて、煙草に火をつける。窓を開けて立ち上る煙を見つめると、程なくしてありすがエントランスから出てきた。

「赤井さん、朝からすみません」
「いや、構わない」
赤井がアクセルを踏んで目的地へと走り始めると、助手席のありすはダッシュボードなどを暫くごぞごぞと確認して、何かを見つけたようだった。
「見つかったか?」
「はい、お騒がせしました」

早朝の澄んだ空気が、車内に入り込む。
「あの赤井さん、今日…」
「ん?」
「あ、あの…」
助手席のありすが口を開くや否や、一瞬言い淀んだ。
何か言い辛いことなのだろうか、赤井は無言で次の言葉を促す。

「私の今後について、もう少し考えさせてもらえませんか。近いうちに答えを出しますので」
「あぁ、構わない。最初からそのつもりだ」

こっちとしては答えを急かすつもりはない。そう告げるとありすはぎこちなく笑った。



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ありすを大学へと送り届け、車内には赤井だけとなった。どうやら彼女はもう少し時間が欲しいと告げる為に呼び出したようだ。直接報告すべきと律儀にも考えたらしい。
それならば問題ない。とシフトレバーに右手を伸ばした時、

赤井は何かに気付き、ドリンクホルダーの携帯電話を掴む。



「本当の目的はこれか…」

赤井はニヤリと笑うと携帯電話を戻し、大学を後にした。





満月の朝
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