録嗚未 (現パロ)
朝目が覚めると隣の温もりが消えていた
「録嗚未おはよー」
ツンと鼻に感じた匂いは焙煎された珈琲の香り。あの苦いのをよく毎日とか飲めるよな…と考えながら、その声にうつ伏せでいた身体を起こすとベッドルームの扉に寄りかかるかたちであいつがマグを持ちながら立っていた。
「よく眠れた?」
な訳あるか。こちとら夜中に帰ってきてそのまま朝方まで誰かさんをヒーヒー言わせてたんだから寝れてる訳がねぇ
それを分かってるからか、クスクス笑っている。
だから、近づき腰から引き寄せた。
「いや、まだ足りねぇから」
そのまま肩に顔を埋めて耳元で囁いてやると、素知らぬ顔でそのまま珈琲を飲み続けながらリビングに向かおうとする。
「仕事間に合わないよー」
「…………行きたくねぇ」
「子供か」
そんな悪態を吐きながら頭を撫でてくれるあたり満更でもねぇんだなと笑った。それでも、離したくねぇから腰をさらに引きつけ強めに抱きしめさらに頭を肩に埋める。幾分も小さい彼女の身体だが、ギューッと抱き締めると何かが包んでくれている様で安心した。
「もう。仕事遅れるって……
そういえば、録嗚未てボクサーパンツなんだね」
「ん?ああ…」
コトッと音を立てて置かれたマグ。彼女の手は俺の胸元に寄せられた。
「昨夜も思ったけど……意外に身体つきもカッコいいよね…………」
「………」
コイツは……わざとなのか天然なのか。
よく見ると勝手に俺の仕事用の白シャツ着てんじゃねーか。しかも新品。そしてそれ以外は下着しか履いてない……うっすらブラが見える…………
俺の息子が立ち上がるまで時間は掛からなかった。
「朝ごはんは、お米とパンどっちが良い?」
「おまえ」
「……………」
にっこり口だけ笑ってる彼女とはよそにもう既にお尻を撫で服の中に手を入れ直接腰あたりを触る。
「そんな選択肢はありません、んッ」
文句をいう口を塞げば、苦い珈琲の香りをまるで共有してるかの様に広がる。
文句を言っていた割にはちゃっかり腕を俺の首に回し受け入れる。
「んっ……ん…………ゃ」
静かな室内に響くキスの音に酔いしれながら、手は腰から尻、太腿と感触を味わいたくて何度も滑る様に行き来する。
それに小さく反応してくる彼女を見て興奮が止まない。
「ろ、く……んっ………やッ…
し、ごと………ぁ」
キスだけで腰を抜かしそうになる彼女を抱きとめ、ようやく口が離れるとどちらのものかわからないものが名残惜しげに繋がりを見せ、その先の彼女の顔は昨夜見たものと同じものと化していたので思わずニヤッと口角が上がる。
「その顔で行かせるかよ」
「……誰のせい、よ」
「ん、俺」
そう二人で笑い合い再びキスをした。
はじまりのキス ver.録嗚未
朝の始まりは愛しい人のキスから…
「…………朝から二回戦始まって遅刻しました。
か?」
「…………はい……」
「…そうです。ごめんなさい……」
二人して騰からの威圧的なお叱りを受けた。
END
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