朝の起こし方
「騰様、朝ですよー」
布団で眠る体を揺するが、目が開くこともなければ起きる様子もない。
「朝ですよー。ですよー…」
うーん…
普通じゃあダメかと晋は腕を組み思い悩む。それなら………
と耳元まで口を寄せる
「昨夜、録嗚未さんか女性を部屋に連れていました。まだ部屋を出られていませんよー」
無反応。
ダメか……。
「騰様……
私、国に帰れる様になりました………今日発ちます」
ダメか…………。ちょっと悲しい……
と眉間に皺を寄せ。うーんと空を仰ぎ、あ!と何かを思い出した様にもう一度耳元に口を寄せる。
「騰様!!そう言えば、王騎様が……ッ!!!」
「殿が、どうした?」
騰様は目を開けていた。
私は目を細めて相手を睨む。
いや、副官としては大した方だけども……
数日後
「騰様!朝ですよー」
こんな事で隣に寝ている方が起きる事が無いのは百も承知。数日、王騎様ネタをやっているが飽きたので何か…と思う。
あ、そだ。
私は騰様の上にまたがる
「ねぇ、もう一回しない?」
「……………」
ダメか…。
んーじゃあどうしようかなー
と騰様の上から降りて布団台から降りようとした時、後ろに引っ張られ気付くと布団が背になり騰様が覆いかぶさっていた。
「…………何、笑っているんですか」
「晋からしてくれるのかと思うと楽しみでな」
チュッ
「?」
「はい。もう一回キスしましたよ」
騰様の首に両腕を回し、触れるだけのキスをすると口端を上げニヤッと笑う。
「……………」
「じゃあ、私は王騎様に呼ばれていますのでココ、で…ッ…!!
………………………
解放していただけますか、騰様?」
「………殿を口実にすれば、逃げれると思ったか?」
今度は騰様がニヤッと笑う。
「あれ。ダメでし………ちょッ…!」
「さぁ、何をしてくれるんだ晋」
「…………最高な気分にさせますよ」
とか言いながら、最終的にはグッタリな私。と相反してスッキリしてる騰様の姿が見られたとか
ナントカ……
おわり
と、おまけ。
主人公の場合
「起きろ、晋」
騰は隣でぐっすり気持ちよさそうに寝息を立てている娘を揺すって起こそうとするが起きる気配がない。
「……………」
「スー、…スー…猫ニャー……」
猫?
この寝言を本人に聞かせてやりたい。
顎を触り、この娘をどう起こそうか考える。その顔はとても楽しそうな顔をしていたのは誰も知らない話…
「………晋……」
そう耳元で呟くと、「んっ…」と甘い声がでる。このまま起きるまで…いや。起きようが起きまいが関係ないか。行為を続けてやろうと体を起こすと自分の髪を晋が触ってきた。
起きたか?
そう顔を覗くと、とても眠そうなトロンとした顔の晋と目が合う。
「晋?」
「……とう、…………ンッ」
「!」
更に腕が首に、そのまま顔が近づいてきてキスをされた。どちらともなく、と言うより積極的に晋が舌を入れてきたので細めの腰を抑える。……それに動じない?
「んっ、チュッ………騰様……、
もう一回……ッ」
と再びキスをされる。
その後の事は、想像通りだが…
おかげで晋が夢から覚める頃には身体が重くて起き上がれなくなっていた。
「あれ。私猫と戯れていたと思ったけど……腰おも…ッ
…………あれ、私何かした………?」
「……この方法では起きぬか」
「????」
次の日
再びぐっすりと寝る晋を隣に騰は耳元に口を寄せた………
「晋……。今朝美味い月餅が手に入ったんだが食う……
「食べます」
「早いな」
次の次の日(笑)
夜更けて、だいぶ時間が経った頃
騰の部屋に娘が訪れた。
「ただいま戻りました」
「ご苦労だったな、晋」
「いえ。
………録嗚未さんの明朝が楽しみですね」
クスクス笑う晋は、同時に欠伸をつく
「晋、眠いのか?」
「……申し訳ありません………。今日は何か……意識が………」
「そうか。
…殿から酒をいただいたが……
しょうがない。一人で呑む…
「覚めました!呑みましょう」
「……………」
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