歪んだ愛
「ダメ…ッ」
そんな言葉は無意味だ。
その顔もその声もその手も
幼き頃から、殿の鍛錬を覗き、私の邪魔をし軍の中の他の者ともよく話をしていて皆に可愛がられていた。
その中でも特に私の後ろをよく着いて歩いていた。懐かれていると自覚があった。
そして、それは現在に至るまでさほど変わらない関係だった。
「私は、お前の中には無いと…」
寝台の上に無理やり倒した小さな体は私に抵抗するためにその細い腕によって私が近づくのを拒んでいる。
無意味。
「なぜ、そんな事を仰るのですか!」
彼女が言葉を吐く度に怒りがこみ上げる
その異議に意味があるのか。
無意味。
「違う、やめてッ、思い違いをされています!!」
この小さな首を
強く強く締めるのなど簡単な事。いっそ私から離れるのであれば殺してやりたい。
「私は…ッ」
そう何度も流れる涙に、
見て見ぬ振りをする。
「騰、様…」
「ずっと…貴方を、愛していました」
寝台の上で横になる彼女から呟く声に振り返る。寝ているが涙が流れ続けていた。
乱雑に置かれた着物、荒れた寝台、赤く腫らした涙のあと、強く掴まれた手首、体中無数に広がる歯型から私が残した証。
「それがどうした」
壊れた絆。
貴方をただ愛したかっただけだった。
その声が聞きたいと、鳴かせ
その涙が見たいと、言葉を使い
その顔がみたいと、快楽を覚えさせ
他の男に色を使うなら、
二度と過ちを繰り返さない為の躾をするしかない。
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