可愛い感違い




本当、未だに恥ずかしい話。

「とう、様……」


相手から情報を得る為に、
何人もの男と寝てきて楽しませる事もそれなりに覚えてきたけど………



この人の前では何にもできなくなる。



「…っん……」


何度もキスを重ねながら、大きな手が服の間から入り胸を優しく包む。一番敏感なところを触らず焦らされながら


「晋」


熱っぽい声が直接頭に響く。
この声がたまらなく好き。


「………んっ」


今日は服を着せたままみたいだ。腰紐を一切とらず乱れた服の間から肌が直接空気に触れる。
服がずらされ胸が露わになると、一番敏感なところが口に含まれ、私はおもわず騰様の髪の毛を掴む。


「やっん…!」


肩に力が入り思わず手にも力が入る。
空いてる方の手は口に含まれていない方の胸の突起を触っていた。
体が疼き、捩る。


「…………」
「……どう、されましたか…??」


行為が止まったので不思議に思い、髪の毛を摩ると顔を上げて目を合わせてくださった

その目がいつも以上に真剣だった…


「?」

「……晋。

また胸が大きくなったのか」



ふにふにと改めて胸を揉まれる。
私はあまりの予想外の言葉に固まり言葉を失ったまま見つめ直す。



「……………お、王騎様よりも大きくなったかな…」



言った直後に顔を逸らす。
恥ずかしさを紛らわす為に冗談を言ってみたが、思った以上によけいに恥ずかしなってしまった。


「……いや。………殿の方が大きいか…」

「…ん、やっ……て、え????」


話されながら、また舌で突起を舐められ体が反応するが騰様の言葉に驚き、体を硬くしたのと上げた声色に再び騰様は顔を上げた


「どうした?」

「………王騎様の方が…大きい??」

「??……あぁ」

「騰様は、王騎様の胸を見たことが……?」





「あぁ。ある」.



…………………


チーーーーン。










「…………」

部屋の中に入る朝日が眩しく目を開けざるえなかった。愛しい方の腕の中にいて胸のあたりの服を握りしめ寝ていたので、少し騰様の胸元あたりの襟が乱れてしまっていた。

…未だに夜寝る事も、近くにいれることも一つひとつの行動に胸打つ物がある。


小娘か…と、苦笑いし
服を着るために腕から抜けた。

体を伸ばし昨夜の事を思い出す。


王騎様と騰様はやっぱり…………

自分の国にいた時もそう言った関係の方々を見てきたから今更…だけど…………


「………王騎様に負けてる…??」



そんな、裸同然の格好ででモンモンとしている何か勘違いしている娘を寝たふりして様子を伺って楽しんでいる人が一人いた。











「なぁ、騰。晋になにかあったか?」
「?」

軍長達との他国の動きの事を話し合いを朝から行い昼前には終わり、これから明日の演習の取り決めをと考えている時に録嗚未が話しかけてきた。


「さっき、会ったんだが……

ひとりで落ち込んだり、すげー形相だったり、照れたりしてたんだよ

あいつ、昨日からおかしくねーか?」

「…………」

「私も今朝会いましたが、挨拶も無しに横を素通りでした。何か変わった事でもあったんでしょうか」

「俺が見た時は、酷く落ち込んでいたみたいだか…」

「……………」

近くにいた麟坊、干央も録嗚未の言葉が聞こえたのだろう。話に加わってきた。



「騰様、私も気になります」

「……?」

「このままでは明日の演習の打合せができません」
「お前、厳しいな……」


隆国、同金と話に加われば全員だ。

愛されてるな、晋。

と思いながら顎を触り昨日から今朝までの事を思い出す。なにか変わった事……


「…なにか………



昨夜はいつもより良い声でないていたな」




「…っ!!?」
「ば、バカかぁっ!!!んな事を聞いてんじゃねーよ!!!」



真っ先に驚いた声を上げたのは、やはり録嗚未だった。

「……最近、胸も更に大きく…

「だぁかぁらぁ!!!あいつの為にもやめてやれっ!!」



その日、軍長達はもれなく晋の胸を見てしまい本人からニヤニヤされるハメになり

特に隆国は気になってしまって演習の打合せがスムーズにできず、それに気付いた晋がふざけて誘い始め、


すぐに騰によって手刀をお見舞いされた。







干央は窓の外を見ていた

「殿。騰様が女性の話をされています。

お子を見るのが楽しみですな」





今日も良い日。











「え?お風呂???



………あー。そっか……」

「お前は頭が良い筈なのに、騰様の事だけは真っ直ぐにしか見れんのだな」

「……恥ずかしながら……」


そう手刀された頭を押さえながら。





おわります。

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