愛に溺れて





「はい、かんぱーい♪」


カチンッ


「お、美味いな。晋これどうした?」
「隆国さんとこからくすねてきました」
「……隆国から………」
「お前やるなぁ!!!!」


ガハハハハ!!と干央が豪快に笑う

ここは、麟坊の部屋の近くにある客間。
そこでは、今日の演習で勝利した麟坊、干央に酒を持ち寄った晋が三人でつまみと共に呑んでいた。

そして、辺りが暗くなりだし三人とも楽な格好で呑みだした頃。


「そう言えば……」
「どうした麟坊?」
「?」


つまみもなくなり三人とも酒を持ったまま麟坊が何かを思い出したように宙を仰ぎ、晋を見た。
見られた晋も、干央も何のことか何を話そうとしているのか気になり先を促すように麟坊を見つめていた。

「……最近、騰様の部屋に呼ばれていないがどうした?」
「!?ぅ、ゴホッゴホッゴホッ!!!」


晋は思わぬ麟坊の言葉に驚きのあまりお酒がへんなところに入りむせてしまった。それを隣の干央が大丈夫か?と背中を摩りながら、少し考え始める。


「……そういえば、以前は頻度高く呼ばれていたな………」
「やめろよ晋。…俺は少なからず応援してる」
「私もだ」

「ちょ、ちょっ…ゴホッ。え、ちょっ、と待って。


………少なからずって、何ですか?」



一瞬の沈黙。


「まぁ、そりゃあそうと…

「流すなら、話さないで!!!」

……お前、騰様から飽きられているのか?」
「!!?」
「………」


麟坊が真剣な眼差しで晋を見つめると、目があった晋はお酒に入ったお猪口に口を付けスーッと飲み始める。


「…忙しい……
「忙しくても、男は関係ない」
「………だな」



干央さんまで、…と隣にいる本人を見て肩を下げる晋。たしかに、ここ最近……呼ばれていない。…飽きられていると言われると自信がない。


「…………どうすれば…

「よくぞ、聞いた!!!」

「!?」
「…ノッているな、麟坊……

ビシッとお酒が入っている入れ物で指してくる麟坊に晋も、干央も驚き苦笑いを浮かべる。へんな酔い方してんな…と。

するとダンッ!と酒を置き、麟坊が立ち上がる



「私が伝授して進ぜよう…………














「…………」

「…?」


場所は変わって騰の部屋に晋はきていた。
さっきの飲み会中に、騰様がお呼びと言伝がやってきたので二人の講師にニヤニヤと見送られながら晋話して戦場に行くことにした。
部屋に着くと、寝台の上で書簡が周りに落ちそれを読んでいる騰がいた。
そして、中々部屋に入ってこない晋に疑問を感じ書から顔を上げるとそこには、いつもと違う晋がむかってきていた。



「…………」
「?」

寝台に近づいた晋は上に乗っている書簡をすべて下に落とし、寝台に膝から登ると騰が手に持っていた書簡も取り上げ下に落とす


「これも…おしまい」
「!」

そう言うと、晋は羽織っていた服をゆっくりと下に落とし騰の足の上に跨り立膝を着きそして自分の腰紐を解きそれもベットの下にゆっくり落とす。


「…晋……?」


いつもと違う事を確信した騰は、真っ直ぐ見つめてくる晋の頬に手を添える。すると晋はその手を上から添えて掴みそのまま自分の口元に持っていき騰の指を舐め始めた


ペロッ…


「っ!?」


時折リップ音をいれ、騰を見つめる晋。


「…………気持ち良い?」


そう言うと、舐めていた手を離し騰の頬に手を添え自分に向ける様にすると、軽くリップ音をつけたキスをする。


「ねぇ、」
「?」


「今日は私の下でないて?」


そう言うと、いつもより濃厚なキスを始めた。











夜が更にふけり、周りの者達はとうに寝静まっま頃の事。


「ハァ…ハァ………」



晋は息を切らしながらあの二人に相談した事を後悔し、麟坊に次の演習で大怪我をさせると心に誓った。

疲れて体が動かない……



「他の男の事を考えているのか?」


すると自分の上にいる愛しい方から声が降ってくる。彼も軽く息を切らし晋を真っ直ぐ見つめていた。口元だけニヤリとすると自分の落ちてきた髪を耳にかけ直し、晋にキスをする。


「ハァ、んぅっ……んっ、ん…!」


息を切らしているのに、口内に舌が侵入し酸素が薄くなり意識が朦朧とし無理だという事を示す為に肩を押し返す。


チュッ……

リップ音と共に離れていくと、次に騰は顔を
晋の首筋に埋め、一番敏感な所を刺激し始める。



「んっ!!ハァ…ハァ………と、騰様……や、…もう、ムリっ…あっ」


何回イッたかもう分からない。
繋がっている部分に熱が帯び始めていた。


「誘ってきたのは晋だ……


最後まで責任は取ってもらう。」

「んっ!!」


晋はまるで体すべてが性感帯になった様だった。触れる所触れる所反応し、耳元で話されると腰がビクビクしていた。



「む、りっ…やあ…っ」


晋が強気でいけたのは最初だけ。
残りの数時間は最後まで騰のペースに持って行かれてしまった。





終わったあと、晋は騰の首筋に腕を回し強く抱きしめ肩に顔を埋めていた。


「騰、様…気持ち良かったのですか?」
「…なぜ分かる?」
「顔が笑っていますよ。……はぁ、私はもう体が動きません」


大きな手は髪の毛を撫でてくれた。



「……最初のアレは、誰かの入れ知恵か?」
「………よくお分かりで………」
「麟坊に感謝せねばな」
「………………よくお分かりで…」


この人の前では一生嘘がつけねーなと思った晋だった。



「もう絶対にしない。体がもたない」
「………ククッ。…では、最後にもう一回してお………
「それなら、録嗚未さんに変わっていただきます」



「…………それは困るな」











次の日

「晋。…大成功だったみたいだな」

麟坊が後ろから晋の肩を組むとニヤリと笑うがそれを晋は睨みつけた。


「ええ!!腰がダルすぎて、上手く動けませんよ!!!」


すると後ろから更に干央もやってきた。


「お前は本当に度胸があるなぁ」
「ええ、どうも……」

「感謝するぞ、晋」

「あの日から、仕事詰めだったからな。

やっといつもの騰様だ……」




そう話していると、遠くで移動している騰がいた。

「そう、ですね」



三人で笑いあっていると、それを不思議そうに見ている騰様と目があった。



終わります。

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