合同企画
椿
「お酒お待ちしましたよ、騰様」
「…この前殿から貰った酒か?」
「ええ、ぜひ一緒にと思いまして」
陽も落ち辺りが暗くなった頃、晋は騰の部屋に来ていた。以前仕事をやり遂げた報酬として王騎から貰った特上の酒をこれまたお世話になっている方と飲み交わすためだ。
椅子に座る騰の目の前のテーブルには酒が入った瓶とそれを呑む器が2つ用意された。どちらも騰の部屋にある物を晋は勝手に使っている。
そりゃあ良い酒は良い器で呑んであげないと。それぐらいの目利きはできる晋はトクトク…と美味しそうな音を立てて注ぐ。
「はい。では…かんぱーい!」
「カンパイ?」
乾杯は万国共通ではなかったのか時代的なものか、騰は頭の上に疑問符を浮かべながら酒を喉に流し込む。
「……美味いな」
「さすが、王騎様ですね」
騰が珍しく美味しさに驚きの顔を見せている事に晋は口角を上げる。
だが実は、晋はまだ一口も口にしていなかった……………
よし。
心の中で晋はそう思った。
それは一週間前まで遡る出来事。
「さすが、麟坊さん。分かってらっしゃる」
庭に通ずる廊下で麟坊と晋が話をしていると干央と録嗚未がやってきた。
「何か嬉しそうだな、晋」
「干央さん、録嗚未さん、おはようございます。実は、麟坊さんから媚薬なるものを貰える事になったんです!」
「!?」
「??」
嬉しそうに語る目の前の娘から、昼間から、しかも娘から聞く様な台詞では無い物が出てきて、干央は思わず後ずさる。
「?何の話…
「可愛い可愛い妹分が、悪戯好きのSっ気な旦那様に攻められてばっかりだから
たまには悶えてる姿を見たいっていうからよぉ。それには答えてやらねばなと思ってな」
何が楽しいのか目の前の男を非難の眼差しで見つめるが、いかんせん娘の方がとても嬉しそうにしている事に肩を落とさずにはいられない干央だった。
「麟坊楽しそうだな……」
「ああ。当たり前だ」
「…………だから!何の話…」
「騰様を攻め倒すにはどうすれば良いかの戦略の話ですよ、録嗚未さん」
「……………」
「……………」
「あ?騰をヤルなんざお前には100年早ェ……「という事で宜しくお願い致しますね、麟坊さん」
そういって、録嗚未を軽くあしらい走って行ってしまう妹分に大きな溜息が出たのも干央だった。
そんな事を思い出している間に騰は二杯目を呑み終えていた。
媚薬を器の底に入れてその上からお酒を掛けているので、すでに騰の身体の中に入った事は見ずとも確認できる。
「暑いな」
「!」
そう呟いた騰にキタ!と顔を上げると
部屋着のせいで緩めた首元を更に緩めている
晋は思わず生唾を飲み込んだ。
「……何やら、顔も赤い気がしますが……体調でも悪いのですか…?」
心の中でガッツポーズを決め、バレない様に平常心を装いながら、騰に近づき首元に触れる
「っ……」
ビクッと肩が揺れたのを見て、
心の中でニヤつく
可愛い……
本人は眉間に皺を寄せ自分に起こっている事が把握しきれないでいるみたいだが、それに晋は目を輝かせながら騰を見ていた。
可愛い可愛い可愛い…っ!!
今にも襲い掛かりそうな自分を制御して冷静でいる事を保ち、近づいた流れで手を着物の合わせ目にある白い肌に這わせゆっくり肩の方に入れていきながら、晋は椅子に座ったままの騰に跨るように脚を掛け、キスをするために顔を近づける。
だが、晋はやはり自分の旦那様を甘く見ていた。
騰はいつ取ったのか分からないが片手に酒の器を持ち1つ口に含むと、もともと近かった顔をまるで逃さないかのように後頭部と腰を掴まれ引き寄せられた。
「え!?」
テーブルの上に置かれたのを見ると、それは自分が呑もうとしていた酒…
「ぅんッッ!?」
ゴクンッ
口移しとなって、入って来た酒がやけに熱く喉を通る。
「……………私の酒は、
美味いか?……」
不敵な笑みを浮かべながら親指で、口移しの時に溢れ出た酒をぬぐっていた。
その行動が妙に色っぽくて彼の足に跨ったままボーッと顔を見ていたが、身体の異変を感じまさかと少し体を離そうとしたとき
騰がフと動かした足が布越しに秘部を擦る。
「…………あっ…!」
「……………」
………自分が出した声に驚き口に手を抑え騰を見つめる。
「ちょ、とまって…やっぱり今日はやめ、よう………」
異常な息遣いと高揚した紅い頬、上目遣いで見つめる目は濡れていて、騰にとってはこれ以上ない興奮材料が全て揃っており、
晋の中に流し入れた酒の中に媚薬が含まれていた事が分かれば
彼の行動を止めれる人はいない。
「…と、とうさま?…」
「晋」
騰は彼女の頭を掴むと抱き抱えるように引き寄せ耳元に口を寄せ呟やき噛み付く
「ああっや!!耳…やだッ」
「こんな状態で止められるのか?」
「やっっ」
耳元でクスクス笑っている事さえも
全て身体が反応してしまう。
「でも、おかしくなっちゃ…ンッ!!」
布越しに触った秘部は外側からでも伝わるほど濡れており、更にただ触れただけで驚き肩を揺らす様子に騰は更に笑みを深くした。
「……違うな。
私が止められん」
「あ、ちょっとッッ…!!!」
その言葉と共に指が直接触れただけで晋は果てたが、それと同時に騰は晋を持ち上げ寝台に寝かせて自分は覆い被さる。
「晋」
「……な、なんですか…?」
「今日は優しくできんからな」
「……いつも、優しくない」
息を整えながら目の前のやけに楽しそうな男に睨みを効かせる。
「そうか……」
その言葉と共に頭が下がって行くと、へそあたりから舌をはわせ、それと共に履いていた物を下ろし足を開かせていく
「ま、待って!ま、てッあ。んぅッんッんんッ………」
卑猥な水音と共に晋の身体を快感が走しる。自然と騰の髪を掴み、身を捩り足を閉じようとするのを手で抑える。
そして、早々に二回果てた晋に息もつかせぬ様にキスをする騰はゆっくりと自身を晋の中に進めていった。
「それ、私の…」
「騙そうとしたのが悪い」
情事が終わる頃には薬の効果も切れ、グッタリな身体の重みしか残らず寝台で薄めの敷布団をかぶり寝転がる晋がいた。
なぜか騰は椅子に座り酒の続きを呑んでいる。
「でも最初の騰様可愛いかったんですよ?もう一度見たいなーーー」
「…………」
すると器を持ったまま騰は立ち上がり寝台に腰掛ける。
「あれ、いただけるのですか?」
「口移しでならな」
「いーりーまーせーん!」
「遠慮など珍しいな」
「!?ちょ、え、え?もう一回!?」
覆い被さる騰は落ちる髪を掛け直し、
「……気持ち良さそうにしてた晋の顔が忘れられなくてな」
「………コンチクショー……」
口に含んだお酒は口を移してすぐさま晋の中に入ってきたが、騰自身が入ってきたのもほぼ同時だった。
終わってあまり時間が経っていなかったためすんなり受け入れた自分に
なんやかんややっぱり強気な騰様ほ方が良いなとお酒を飲み込んだ後も離れていかない様に腕を回していたり結局変態だなと思う晋だった。
下心
貴方を騙す事ができるのは、
多分この先もないのかもしれない。
おわれ
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