献盃


よろしくお願い致します※



海兵ヒロイン設定。
付き合ったその後。


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お互いに、まだ突っ込んだ話をしっかりしてなかったのは悪かったとは思う。久し振りにゆっくり過ごせるこの微睡みで当たり前のように押し倒されるんだけども、ポケットに忍ばせておいたそれを渡す為、迫ってくる固い胸板を一度押し返す。

「げんすっ……あ、あのっ」

毎月来るものが予定通りに来ないと肝を冷やす。
孕ませておいて放置するようなそんな曲がった事をする人でないのは確かに頷けるが、流石に毎回求められると怖くて痺れを切らし、とうとう私から言い出した。

「あの、元帥……せ、せめてこれを……」

「…む」

規格外のそれを見つけるのは大変苦労したのだが(何せ大将サイズなんてなかなか売ってない)、自分の身を守るためだ。元帥にそれを渡すと、驚きつつも少し怪訝そうな顔ではあったがそれを受け取ってはくれる。

「ま、まだ海兵として正義を全うしたいですし……」

「……」

顰めてた眉を少し緩めるあたりそれには賛成してくれるのだろう。【元帥】という立場から言えばそれも当然。唯でさえ海兵不足なのに、働けそうな若い中将が産休や育休でいなくなるのは海軍にとっても痛手であろう。
しかし少しの間をおいてポリポリと頭を掻いた彼は観念してくれたのか、渋々と包装されたそれを引き千切って中身を出してくれた。

「ガキは欲しゅうないんか?」

「え!いや……それはいずれ……ほ、欲しいですけど」

意外だ。

元帥は子ども、欲しいのかな。あ、そもそも欲しくなかったら避妊するはず…よね。この人はそういう人のはずよね?
実際子ども出来たらどんな反応するかと想像しようにも、喜んでくれる場合も面倒臭そうな顔をする場合もどちらも有り得そうな展開で怖くなって今に至る訳だが。
今の元帥の反応を見るに、案外前者なのではと胸を撫でおろす。

「ええわい、つけちゃる」

多分、海軍元帥が既に盛り上がっていた下半身に装着してる姿なんてこの世で私しか知らないだろう。じっと、まじまじ見ていると鼻で嗤われこれなら文句ないだろう?と即座に押し倒される。

「あっ……そん、なっ……まっ」

「………そのまま感じちょれ」



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大きく躰を震わせお互いに果てた後。
暫くして動き始めた元帥がぽつりと不満を漏らした。

「こがぁなもん1つじゃ足りんに決まっとる」

「っ…」

ずるっと私から出ていった元帥。装着していたものを外し、彼が掴んだ袋に入った白濁を見てみると結構な量だったので恥ずかしくて目を逸らす。毎回あれだけの量が私の中に入ってたなんて、今の今までよく当たらなかったものだ。
それに1つじゃ足りない事は事前に分かっていたのでお望み通り余りを用意していたものを思い出す。

「あ、まだあるので……わ、」

「ベル」

棚に隠してた箱を取り出そうと布団から抜け出し、もう1つそれを取ると、背後から名前を呼ばれて腕を取られて抱き締められる。いつもより強めの抱擁は何か言いたげな雰囲気を醸し出してて少し驚く。

わしが言うのも何じゃがのう、と彼は一言添えて呼吸を整える。

「お前と違うてわしは若うはないけぇ……嫌じゃないんならぁ、覚悟しちゃると助かる」

覚悟、とは。
つまり、その。

カチコチの頭で考えるつまりは、“子ども”。
要約すれば私の覚悟を待ってくれるはものの、自分の年齢を考えると早めに産んで欲しいと。あのサカズキ元帥にしては少し控えめに頼む感じが珍しくもあり、ちょっと可愛いと思ってしまった自分がいる。
まぁ確かに、産むのは他でもない私なので生半可な気持ちで引き受ける事は絶対ないし、取り敢えずは彼が子どもを欲しがってくれて私も素直に嬉しく思った。

「わ、私でよければ……よ、よろしくお願い致します」

「後悔はさせん」



よろしくお願い致します。
(あ、早速それ燃やさないでくださいよ折角買ってきたのに…!)
(二度と買わんでええぞこれは)

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