4ふたりの、家※
名前変換なし
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お互いに好き合っていたーーー。
誤解も解けて抱き締め合っていたが、玄関先でいつまでもその状態でいる訳にもいかず、何方ともなく離れる。
「お、お義父様」
「すまん………」
途端に気恥ずかしくなって顔も見れない。今までは片想いだと思って相手を見ていたものの、両想いと分かると余計に気恥ずかしくなるのは何故か。自宅前なのに意味もなく海帽を深く被り直し、俯く義娘を見ると気不味そうにしている。
「お夕飯出来てますので……」
「頂こう」
またあの味が味わえるだけで幸せ者だと言うのに。まだ近づき足りないと思うのは図々しい願いなのだろうか。
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家主が一番風呂に入り、その後続いて私も風呂に入った。日常の習慣ではこの後家主はリビングか縁側で晩酌をするのが定例で、髪を乾かした彼女は今晩の酒を選び、徳利と猪口を用意していた。摘みも用意しなければと冷蔵庫の中を漁っていると、台所に入って来られたお義父様に不意に呼び止められる。
「あ、お義父様。晩酌はいかがさ……あっ」
「構わん……それより、ついて来(き)いや」
珍しく手を取られて引っ張られる。少々強引なお義父様は初めてで、何事かと不安もあったがこの後の事が何となく予想が全く出来ない訳でもなくて。薄暗く長い廊下を渡った後、真っ暗なお義父様の部屋に連れて来られ、私には大き過ぎる蒲団の上に押し倒されてしまった。
「きゃっ……んう!んんっ」
性急に口吻されて驚く。普段、幾分か冷静で多少の事では一切動じないお義父様からは考えられない。完璧に抵抗したい訳ではないが、両手を押さえつけられた上私の1.5倍はある巨漢に覆いかぶさられると多少の恐怖感はあるので、顔を少し背けるとやっとのこと口を離してくれた。
「すまんが、こちとらもう辛抱堪らんのじゃ」
「はぁっ……はぁ……お義父様」
切羽詰まった声、荒い息遣い。真っ暗で表情があまり見えなくて残念だが、随分と私を求めてくれているらしい。優しく頭から首筋を撫でられ、少し安堵する。そしてまた、お義父様の顔が覆いかぶさってきてしまう。
「んんっ、ふ……ぅ!」
ぐっと両手を握られると同時、更に密着したお互いの身体のお陰で偶然か否か、興奮したお義父様の下半身が布越しに入り口に当たって不覚にも感じてしまった。
わざとなのか、ぐりぐりと宛てられるソレが気持ちよくて思わず漏れてしまう声が自分で聞いても厭らしかった。
「一応聞くが、ええか」
ここまで来て、駄目なんて言う訳ない。
だが一応、相手の同意を真面目に聞かれる処がお義父様らしくて、ちょっとだけ可愛いらしいと思ってしまう。いつか触ってみたいなぁ、と漠然と思っていた角刈りの頭を少し撫でると、わしゃわしゃとした触り心地が気持ちよくて好きになった。
「はい。あ……でも、一年振りだから……」
夫が亡くなって一年、勿論そういう行為は一切してはいない。余り慣れてないからお手柔らかにという意味で伝えたのに、お義父様はそれでさえ不快に思われたようで表情は見えずとも唸るような声で言われた。
「“他の男”の話をするな」
ご自分の義息子なのに。
お義父様からの嫉妬交えた視線が亡くなった夫には申し訳ないが少し嬉しくて、思わず笑みを溢すとまた唇を貪られてしまう。言霊を取ったからか遠慮なく胸を揉まれつつ、パジャマのボタンをひとつひとつ外される。真っ暗ではあるが、脱がされる様をお義父様にじっくり見られているのが凄く恥ずかしくて、身動ぎすると隠すなと言わんばかり制止される。
「柔い」
「ふっ……ん」
なぞるように首筋からブラの上まで触られて、そのまま胸を揉みしだかられる。お義父様の大きな手じゃあまり楽しくないサイズなのでは、と思っていると次はブラをズラされて頂を晒されてしまう。少し指が掠っただけというのに久し振りだからか相手がお義父様だからなのか、自分でも敏感に感じすぎて艶の籠もった声が出てしまう。
「あっ……ん、ぁっ……!」
くり、くりと弄ばれて暫く楽しまれた後は、ぐっと胸全体を揉まれた上に舌のざらりとした感触が頂に届くと、快楽が容赦なくびりびりときて胸を庇おうとしてしまう。勿論お義父様は少し力尽くで押さえつけてきたけれども。胸だけの愛撫なのに、下腹部にまで快楽の筋が行き通る事に若干の不安と期待が入り混じる。
そのうちご自分の着流しを上半分脱ぎ去り、私のボトムスをずり下げて太腿やお尻を優しく撫でられると、ふとまだ身につけている自分の下着内の状態が気になる。先程の胸の愛撫で大分感じてしまったからか、股の間で濡れているような感覚がして羞恥心を煽られる。不意に下着の中にお義父様の指が入ってきて、茂みをひとせ撫でられた後答え合わせに辿り着いてどこかの穴に入りたくなった。
「えろう、濡れとるようじゃのォ?」
「言わな……」
それはもう、貴方を想って何度妄想の中で致した事か。妄想が現実となった今、身体は正直にお義父様に触れられるのを喜んでいる。言いかけた言葉も繋がらぬまま、お義父様の指が狭い膣の中を割ってゆく。
「ん、んあっ………ん!」
口吻と胸の愛撫も忘れずに、同時進行で責められておかしくなりそう。ひたすら年齢にそぐわないお義父様の逞しい胸に身を預けるまま、探りを入れる指が良いところを刺激された為びくっと肩を揺らしてしまうとお義父様に少し嗤われた。完全に気持ちいい場所と認識されてしまい遠慮なく刺激を与えられる。
「だめっ!……まって、だめぇ…!」
「フッ。まだイッたらいかんぞ」
夫にもされた事ない初めての感覚で少し怖かった。お義父様はいつの間にか指を二本に増やされて引き続き良いところと奥を責めて来られるから、イッたらいけないの言いつけを守りたくても守れないかもしれない。それくらい快感が脳内まで突き抜けて、もっと、もっと欲しい我欲が私を支配する。我慢できなくて、半ば強引にお義父様の胸から離れて一度息を整える。もう、早く来て欲しい。お義父様にその熱く籠もった棒で一気に貫いて欲しい。できるだけ甘えた声で要求する私は確信犯と言われても構わない。
「きてっ……お願い、きて……」
まさか自分から縋るようにお義父様の前で股を開くとは。はしたない淫らな女と思われただろうか。それでもいい、好きで堪らないのお義父様。
「辛抱堪らんのはお前のほうかィ……」
満更でもなさそうに、けれど呆れた声で言われてしまった。でも求めにはきちんと応えてくれるようで、入り口に宛てがわれたその肉棒が熱くて、触れるだけでぞくりとした快感が待っていた。ぐっとお腹を抑えられて、固定される。
「あぁっ!」
挿れられただけで軽くイッてしまった。随分濡れていたからか痛さは然程感じなかったものの、質量感というか圧迫感が凄くて恐怖でお義父様にしがみついてしまう。きちんと息をせえ、とお義父様から乱れた髪を梳かれて、しがみつく私を抱きつつもゆるゆると腰を動かしていった。あのお義父様と繋がれた事実が更に幸福感を増していってついには想いを溢してしまう。
「好きっ……あっ…好き!おとう……さまぁっ」
「っ……」
気持ちいい。好き、好き。
思い思いに溢れてくる言葉とは裏腹に、お義父様は何も言ってくれない。未だに夫に後ろめたい気持ちがあるのか、それとも敢えて何も言わない人なのか。でもそんな事どうでも良くなるくらい、打ち付けられる腰の動きが早くなるにつれ、快感によってもっと何も考えられなくなる。
「気持…ちっ………んんう!」
頭の後ろを固定されたと思ったら深いキスで息ができない。溢してた言葉が気に入らなかったのか、言葉に応える為にキスしてくれたのか。もう分からない。分からないけれど、どんなお義父様も好きで堪らない。上も下もお義父様に支配されてる感じが、恍惚感に更けて何も考えられなくなる。より律動が速くなっていくにつれ、ただひとつだけ一抹の不安が過った。
「あっ、あっ……お、義父様!……外にっ」
「っ、聞けん、相談じゃあ……!」
そう言えば避妊具をしてなかった、せめて外に出してと懇願するも断られてしまう。あぁ、でも。お義父様との子どもなら……。
「ああぁっ!だ、めぇ……!」
「…く……!ぁ……」
もはや逃げる気もなく、お義父様は私の腰をしっかり固定して子宮の方へ精を放った。残りも残さぬようにぐっと抑えつけられる様が何とも卑猥で、荒い息を整える事しか出来ず。お義父様も暫く覆いかぶさってきたまま、ただ呼吸を整えつつお互いの体温を感じていた。
数分したぐらいで、未だ力の入らない私とは違ってお義父様がのそりと離れていった。ぽたりとお義父様の汗がシーツに落ちていったのが見えたのが扇情的で。お風呂でも入られるのかな、と呆然と考えていたが再び太腿や尻を擦られ黒い茂みまでもぞもぞと触られて内心ぎょっとする。
「まって。私……駄目っ」
拒否の意を表しても、お義父様の触れられる手はおやめになって下さらない。舌の根も乾かぬうちに、胸の頂を少し強めに摘まれてまた力が抜ける。すると、耳元で囁かれた悪魔の呟きで若干希望の光が見えなくなっていった。
「まだ終わらんけェ、すまんがちィと辛抱せえよ」
終わらん?え、この人何回するつもりなの?
五十路だよね?え、一般的にこの歳でも性欲ってこんなにあるものでしょうか。
海軍で一番のお偉い方で実力も折り紙付きと聞いてはいたが、あっちの方も折り紙付きとはきっと私しか知らないだろう。
「お義父様、お若いのですね……」
「誰のせいと思っとる」
どうかお手柔らかに、と伝える間もなくまた押し倒されてその身をお義父様に委ねてしまっていた。
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あれからどれくらい時間が経っただろう。お義父様と何度交えて全身を貪り尽くすように味わい合ったのか。五十路のお義父様の精力についていけず、最後の方は放心して身体を預けっぱなしになっていた。凄い体力だともはや恐怖よりも感心の方が勝っていると、「すまん」と小さく謝られる。流石にお義父様もやりすぎたって思ってくれたのだろうか。
そのうち汗も体液も不快さが目立ってしまい、一度お風呂を頂いたがもう一度綺麗さっぱり流したい気持ちが勝っていってお義父様にお願いをしてみる。
「あの。申し訳ないのですがまたお風呂、頂いてもよろしいですか?」
お義父様は明日もお仕事だし、夜も更けてきている。もしお義父様が入られるのなら私は後で頂きたいです、と伝えようとしたら不意に身体が浮いた。
「わしも入る」
「え……あ!」
私は身体にまだ力が入らないので抱っこして頂けるのは大変有り難いのだが、今より明るめの浴室に連れられると思うと羞恥心を感じずにはいられない。抱っこされながらも、脱衣場にあったはずのタオルでも巻こうかと辛うじて手に取ったのだが。お義父様は全く意も介してくれなくて一言邪魔だと剥ぎ取られた。
やっとのこと、熱い湯船に浸かる。勿論、依然としてお義父様の胡座の上に乗ったままなのだが。
「お義父様、何だか別人みたい……です」
ちら、と私の方を見て顔に手を当てたお義父様。ふぅ、と溜め息をついて返される。
「幻滅したか?」
「いえ……全然」
幻滅なんて絶対しない。
ただ、今までは厳格で堅物なお義父様のイメージだけが先行していて、どちらかと言うと清廉潔白を重んじるタイプだと思い込んでいたのが間違いだったかもしれない。お義父様だって一人の人間で男性で、年甲斐もなく女性を求める事だって当たり前なのに。
そもそも夫が亡くなった後この家に連れて来られたのも、私の事を既に女性として見ていたらしいから相当我慢されていたんだろう。そう考えると何だかむず痒い上に嬉しい気持ちと悩ましい気持ちが交錯する。元々は義父と義息子の嫁という関係だったからだろうか。
「そりゃあ、何度お前を押し倒しそうになったか分からん」
「……むう」
もっと早く知りたかった事実だわ。
じとりと私に見つめられて罰が悪かったのだろう。視線を逸らし気まずそうにするお義父様。でも思わぬ反撃を喰らってしまった。
「そういうお前かて、わしの蒲団で一人慰めちょったじゃろう?」
「え!?い、いや!そそそそんな事……!」
絶対に知られたくなかった事実を述べられて頭が混乱する。え、何で知ってるの!?と言いそうになったのを何とか堪えるも、動揺しすぎる私の反応が面白かったらしい。フン、と鼻で嗤ったお義父様はどこか楽しそうだった。
「フ。バレバレじゃったがな」
「〜〜っ、酷いですお義父様」
せめて言わないでいてくれたら嬉しかったが、意地悪な部分も垣間見えたのはより距離が近くなったからかもしれない。
すり、と目の前にあるお義父様の勝ち傷をなぞる。先程は真っ暗だったからか分かりにくかったが、明るめの場所で見ると何ともおいたわしい。距離が近付いたといっても、お義父様の“全て”までは到底触れられるものではないのかもしれないけれど。
「仕事は?結局あれからどうなったんじゃ?」
「あ、お義父様の仰る通り郵便局は辞めさせて頂きました。また就活するつもりで……」
「………まぁ、ええわい」
流石にお義父様にあれだけ怒られてしまった上、不正を嫌う彼にとっては身内がその場所にいるだけであらぬ疑いをかけられてしまうもの。あの時は自分の自立の事ばかり考えていたが冷静になってみると、お義父様の憤慨はご尤もな話な訳で。
想いを確かめ合っていた事ですっかり忘れてしまっていたが、今一度お義父様にお願いをしなければ。
「あの。もう少しここに居候させて頂いても宜しいでしょうか」
だけど、一人で生きて行くための職はきちんと見つけようと思う。夫が亡くなってからずっとお義父様の庇護の下で守られてきたけれど、それは永遠に続く訳でもないし、せめての私の覚悟として。
お義父様はあまりいい顔されないでしょうけどね。
「当然じゃ。ここはお前の家でもあるけェ……もう出て行くな」
「はい……!」
ただそう言ってくれるだけで、私には勿体無い言葉だった。
不正義C
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