織姫と彦星は一年に一度天の川を渡ってお互いを慰め合う。
私とこーちゃんはどうなんだろう。
飽きもせず一緒にいて偶に授業や任務で別れることはあれどほぼ毎日会話をしている。
今日も本部の屋上で天の川を見ている人に混じって二人で空を眺め、笑う彼。
「毎年のことだけど晴れてよかったな。」
「うん。」
「元気ねーな、どうした?」
「なんでもない。」
もし、彼や私の部隊が遠征に今後選ばれて遠いところへ行って二度と会えない事とか。
いつかボーダーを引退するという時になったら、私たちは今までの関係のままでいられるのか。
そんなことを考えて不安になる。
「話してみろよ。」
「んー、大したことじゃないんだけどね。
もし、もしもこーちゃんや私が遠いところに行って織姫や彦星の様に年に一回だけしか会えなかったらどうしようって考えたら不安になっちゃって。」
バカだよねと乾いた笑を溢す。
「バカじゃねーよ。
俺だって千聖と離れるなんて考えられねぇ。」
そう言って急に抱き寄せられる。
米屋や緑川君がヒューヒューと茶化す口笛が聞こえ顔を俯かせるが顎を持ち上げられ嫌でも彼の顔を見る。
「いいかよく聞け、千聖。
例え、俺が遠くに行っても必ず帰ってきてやる。
どんな状況だとしても、お前を一人にはさせねーからな!」
暗がりでもわかる真っ赤な彼の顔。
ガラじゃないって目を逸らす仕草も可愛い。
背に回していた手を彼の頬に当てて顔を近づかせる。
狙いは唇。
「なっ、ち、千聖、それは人前では…んむ。」
不安を振り払ってくれたお礼。
ギャラリーの視線なんて感じないで私は織姫様より嫉妬深いんだからね。