ご主人様はアスチルベという花が好きとおっしゃっていた。
夏の花でピンク色の小さな可愛らしい花をつけるとの事。
基地の裏山にピクニックに行こうと言われてその花を見ましたがその時は綺麗な花だなとしか言えなかった。
ですがご主人様は「君たちは兵器である以前に一人の少女として自由な暮らしをして欲しい。」と誇らしげにいう。
「お言葉ですが、自由とはそれ相応の対価を払ったものがもらえる報酬ではないでしょうか?」
「ベルは固いこと言うなぁ。
確かにそうかもしれない。
でもね、生まれたからには戦うことを恐れても悪いことではないんだ。
ワガママ言ったって多少は指揮官としてなんとかしてあげるからね。」
私の頭を撫でる綺麗な手が好きになった瞬間だった。
この感情やこのうちから湧き出てくる願いはなんなのだろうと戸惑い苦しんだこともありました。
ですが今思えばそれが恋の訪れだとアスチルベの花言葉を知った時自覚する。
これが叶わぬ恋だとしてせめて隣にいることは許されるのでしょうか。
窓辺の向こうに彼女がいる。
ふと目が合うと私の名前を呼んで手を振る彼女。
嗚呼、そんな顔で呼ばないでください。
あなたの事をもっと知りたいと思ってしまうから。

アスチルベの花言葉
自由、恋の訪れ。