結論から言うと悠仁君は飲み込みの早い子だった。
五条先生の目に狂いはないらしい。
一時間ちょっとで安定して呪力を流せれる様になり今は話しながらでも余裕でできている。
「で、この後この金髪の男が元カノである犯人の手助けしてたってわけ。」
映画を見ながら解説をしてくれる。
「や、悠仁、夏稲、いい子にしてた?」
目隠し姿の五条先生が地下室に入ってくる。
「いい子って言ってもなぁ、映画しか見てねーし。」
「でも、虎杖君凄いんですよ!
飲み込み早いし。ほら、今でも遺骸大人しいですし。」
指差して言うと彼はうんうんと頷いてる虎杖君の肩を抱く。
「で、夏稲となんか進展あった?」
「な、はぁ?あるわけねーよ。
てか、先生は茶化しにくるほど暇なの?」
顔を赤くして虎杖君が返すと五条先生はカラカラと笑って誤魔化す。
「ウブだねぇ。
まあ、暇じゃないんだけど悠仁にちょっと会って欲しい人がいるんだ。」
「私は?」
夏稲が聞くと彼は手を振る。
「夏稲は二年生と合流していいよ。
悠仁はそいつとこれから任務だから。」
唐突な解雇に会い、ポカンと口を開ける夏稲であった。
「大丈夫?夏稲ちゃん。」
「はぁー、うん…。
悠仁君も頑張って。」
お互い、気まずい空気の中、地下室を後にした。
 
 一方で他の一年生達はというと。
「自販機、もうちょっと増やしてくんないかしら。」
「無理だろ、入られる業者も限られているだろうしな。」
「ドクペアメリカンチェリー味、無い…。」
ショックを受けてる志保に対して微妙な顔でお茶を差し出す恵。
「これで我慢しとけ。」
「やだー!ドクターペッパーがいい!」
「ガキかよ。」
パシられている三人に対し、横からヌッと手が伸びた。
「失敬、ドクターペッパーなら私が買ったので最後だったみたいです。」
「なっ。」
恵が驚くや否や、すぐ後ろには見知った二人組が立っていた。
どうやら虎杖悠仁の生死を確かめるために来たらしい。
散々嫌味を言われ、挙げ句の果てには。
「どんな女がタイプだ?」
と恵は詰められる始末。
「呆れ、まーた始まった東堂殿のくだらない質問。」
志保の横にいるおかっぱ頭の少女が言う。
「くだらないとはなんだ新戸部。
これは男の叙事がかかったことなんだ。」
「疑問、女なのでわかりません。
さて、薙原女史。
あなたに恨みはありませんがこれも学長の指示なのでちょっと実力を測らせてもらいます。」
背中に悪寒が走る。
嫌な気がして横にステップで避けたら立っていた場所が地割れを起こした。
「薙原!」
「あっちは気にするな。
半殺しにするだけだ。
で、お前はどんな女が好みだ?」
志保を横目では気にするが東堂の質問にも答えないと厄介な気がする。
「別に好みとかありませんよ。
その人に揺るがない人間性があれば、それ以上何も求めません。」
早いところ、薙原達を止めねばと思うが俺の本心をありのまま伝えると藤堂は涙を流した。
「やっぱりだ。
退屈だよ伏黒。」
その瞬間、俺の体が吹っ飛ばされる。
反応するよりも早く、殺気がひしひしと伝わってくる。
薙原を気にする余地もない。

「呆れ、素直に胸でも足でも言っておけばいいものを。」
「恵はそんなんじゃない!」
志保も髪を呪力で伸ばし、攻撃するが掠りもしない。
それどころか返り討ちに遭ってしまう。
『断裂/常軌。』
パサリ、髪が一房落ちた。
「理解、貴方の呪力の源はその髪ですね。」
攻撃手段がバレてしまい、絶対絶命の志保。
伏黒達も京都の二年生達に推される一方。
「くっ、卑怯!」
「不可解、卑怯?術師に卑怯もクソもへったくれもないでしょ。
生きるか死ぬか、覚悟がないのならこの世界に足を洗った方がいいですよ。」
逃げかわす、志保に対して羽純は皮肉げに笑う。

【つづく】
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