「よく食べるな。」
轟君が私を見ながら言う。
「冬はエネルギー使うからねぇ。
あー半分食べる?」
カスタードのたっぷり入ったたい焼きを半分に割る。
「いや…俺は…。」
眉一つ動かさず遠慮する彼。
こういう時はもう一押しすればいけるか。
「じゃあさ、そっちのあんこ半分ちょうだい。それならいいでしょ?」
「…嗚呼、落とすなよ。」
彼の手にあるあんこのたい焼きを指差していうと快く半分こしてくれる。
そういう優しさが狡い。
「じゃあ半分轟君も食べてよ。私だけじゃなんが悪いし。それともカスタード苦手?」
私が聞くと彼は一歩後ずさる。
「いや、お前が頬張ってる姿みてるとお腹いっぱいになるんだ。」
「恥ずかしいところ見ないでよ。」
「なんでだ?」
「なんでもなの!」
キョトンとした彼の空いてる手にカスタードの方を持たせて前を歩く。
全く、恥ずかしい。
「待てよ。」
「待たない!私が食べ終わるまで横に並ばないで!」