女の子はどんなものが好きだろうか?
甘いものなら気に入ってくれるだろうか?
そんなことを悶々と考えながらガトーショコラを作ることに。
太刀川さんに聞いても唯我くんに聞いても出水に聞いてもみんな揃ってこういう。
「お前が作るものなら国近は絶対喜ぶ。」
「先輩が作るものなら何でもいいと思いますよ。」
「柚宇さんなら三鶴城さんの作るもの全部好きってこの間言ってたっすよ。」
と皆口裏を揃えていうので半信半疑でテレビでやってたガトーショコラを作って太刀川隊室までやって来た。
「失礼しまーす。防人支部の三鶴城でーすっ!お届けものに…ってあれ?国近ちゃん一人?」
「おいーっす、三鶴城君。
そだよー、私一人だよー!」
呑気にテレビを独占して格ゲーをしている国近ちゃん。
可愛いけどあぐらをかくのをやめなさい。
「えーっとお菓子のおすそ分けをしにね。」
目を泳がせて言うとキラキラと眩しい顔で詰め寄ってくる。
可愛いけど免疫があんまりない俺には目に毒だ。
「やったー!何かなー!」
「俺が作ったガトーショコラなんだけどチョコは好き?」
俺が包みを広げて切り分ける準備をすると元気よく返事が返ってくる。
「うん、お菓子なら何でも好きだよー。」
ゆるい返事に癒されつつ二人分切り分けて紙皿に乗っける。
お茶はどうしようかと辺りを見回しているとペットボトルと紙コップを抱えて国近ちゃんが戻ってくる。
「えへへ、太刀川さんには内緒だね。」
「ま、まあ、そうだね。
それじゃ食べよっか。」
「いただきまーす。
あっ、食べ終わったら相手してよ三鶴城君。」
「はいはい、後お行儀悪いから食べながら喋らない。」
楽しいおやつタイムの後、バレンタインであることは内緒にして残りはみんなで食べてと伝えてゲームをする。
俺はパズルゲーが得意だが格ゲーはあんまりなので勝ったり負けたりとそこそこの成績で終える。
時計を見たら時間もいい感じなので部屋を片付けて隊室を後にし、送る旨を伝えると彼女は首を横に振るう。
「三鶴城君、家の方向逆だしいいよ。
太刀川さんが残っていると思うから送ってもらう。」
そうきたかと男としては悔しい返答にがっくりと肩を落とす。
だけどそんな俺を見かねた国近ちゃんがそっと耳打ちする。
「ケーキ美味しかったからまた食べたいなー。」
「ほ、本当?」
「うん、それじゃねー。」
ひらひらと手を振る彼女を見送って帰路に着く。
帰り際に開いたスマホで俺の言う通りだっただろと言う若干うざ可愛いスタンプとともに太刀川さんのラインがイラっとくる。
それでも彼の計らいだったと言うことなら感謝するしかないなため息をついて今度の差し入れは餅も視野に入れるかと笑みをこぼした。