ない、何故俺にチョコが一つも送られてこないんだ。
2月14日といえば言わずもがなバレンタインである。
だが肝心の彼女もいなければ義理チョコもない。
仕方がないので自分のためにコンビニでチョコを虚しく買う。
店員さんがプレゼント用ですか?と聞いて来たが断じて違うからな!
仕方がない、同僚である七海を腹いせにいじり倒そうと彼の自室までやってくる。
「ピンポーン、なーなーみくぅーん!いるのはわかっているんだ!無駄な抵抗はやめて投降しろ!」
ふざけてそういうと不機嫌な返事がドア越しに返ってくる。
「…勤務時間外ですお帰りください。」
「嫌でーす!どーせチョコもらってないもの同士寂しくすごそーぜ。というわけでおっじゃまー!」
鍵は無用心にも空いていて彼の部屋に入ると相変わらず殺風景な部屋でまあ、彼らしいちゃ彼らしい。
「お茶なんて出しませんからね。さっさと帰ってください。」
「なにおう、せっかく寂しバレンティンを男二人で紛らわそうとしてるのに寂しい奴め。」
ほれほれとコンビニで買って来たチョコレートを差し出すと彼は頭を書きながら台所へと足を進める。
「…コーヒーと紅茶どちらがいいですか?」
「コーヒーで。」
たまにはこういう友人同士のバレンタインも悪くない。