「三雲っちー!はいこれ、ハッピーバレンタイン!」
母さんと千佳にはチョコレートもらったが雛菱はどうやら違う様だ。
「…これは?」
「えっとねーハンドクリーム。
まだまだ寒いと思うし三雲っちって手がちょっとカサついてたから使ってもらおうと思って。
あっ、別に匂い付きとかじゃないよ。薬用のちゃんとしたやつだから使ってね。」
どうやら気を遣わせてもらってしまった様だ。
確かに手洗いとかはするが保湿のためにクリームは塗ったことはあまりない。
「ありがとう。」
「えへへ、千佳ちゃんや遊真っちにも同じものをプレゼントしたんだ。
実はそれ私も使ってるやつだからお揃いだね。」
お揃いだと笑う彼女になんだかくすぐったさを覚える。
「お返しは三倍返しか?」
「別にそんなのいいよ。三雲っちがそばにいて…いやなんでもない。これからも仲良くしてね!」
何かいいかけて無理して隠そうとするその表情になぜか胸がずきりと痛んだ。
なんだこの気持ちは。
そんな顔させたくなかったのに。
でも今はこの気持ちを吐露すべきではないと僕は口を開く。
「嗚呼、言われなくても僕たちは友達だ。」
その言葉に他意はない。
だがそれ以上の関係を望んでもいいのだろうか。