来たる2月14日、私は悩んでいる。
毎年毎年、幼馴染として彼にプレゼントしていたがネタ切れ気味。
去年は因みに、オランジェットを大量に作ったのに米屋先輩らと食べたという報告を受けた。
今年こそは、思いを通じ合った今年こそはと考えて考えた末に原点回帰でトリュフを作る。
勿論オレンジピールを入れることも忘れずに。
空気を含ませるテンパリングは失敗しないようレシピを見ながら作業を確認する。
「よし、完璧。」
あとは冷やしてラッピングと思っているとドアが開く音が聞こえる。
「ただいまっと。」
「おかえりーって、ここ私の家なんだけど。」
お互いの家を行ったり来たりしていて恋人以前に家族という気さえするが弁えなければならないと嗜める。
「別にいいじゃねーか。
おっ、美味そうな匂い。」
もう嗅ぎつけたかと食い意地の張った彼氏様に呆れる。
「ダーメ、明日渡すからそれまで内緒。」
「ちぇーちょっとくらい味見したいってのによー。」
ポスンと不機嫌にソファに腰掛ける彼。
このまま拗ねられても困るのでそっといい事を耳打ちする。
「今日の夕飯はここで食べて。
海老フライにするから。」
「俺そんなに現金なつもりじゃないんだけどまあ、千聖が作るものならなんでもいいや。」
気を良くした彼が手伝うという申し出に快く了承しその日は楽しい夕飯となった。
明日が楽しみだ。