「し、士郎君!こ、これ!受け取ってください!」
本部の屋上にて僕の彼女である鳴子が小さな小箱を差し出してきた。
「ふーん、手作りじゃないんだ。」
素直に嬉しいと言えばいいのに手作りじゃないことが不満をもたげる。
彼女も勉強とオペレートに慣れるための実習などで忙しいことはわかってはいるが少しだけモヤモヤする。
「ご、ごめんね。
つ、作ってくるからやっぱ今日はいいや…。」
小箱を引っ込めようとする手を掴み制する。
照れ隠しだといい加減わかって欲しいのに。
「別にもらわないって言ってない。
それに…。」
「それに?」
「な、何でもない。兎に角、鳴子からもらうものなら受け取るから…。」
自分でも何を言っているんだかと恥ずかしくなり顔をそらす。
鳴子は絞り出すような声で続ける。
「…私、去年の夏休みのお陰で士郎君に勇気をもらったしそのお礼と私も選んでくれたこと、すっごく嬉しかったんだよ。ありがとう。」
「…別に彼氏として当然のことしただけだし。
…誰か来るからもうこの話は終わりね。
ほら、帰るよ。」
「はい!」
仲良く手を繋いで帰るところを冷やかされるのはまた別の話。