「恵、クッキー。」
寮でばったり薙原と鉢合わせた。
すると彼女は小さな包みを渡してくる。
「俺は甘いものは…。」
苦手だと伝えたはずだが彼女は首を横に降る。
「甘くない、生姜クッキー。」
渋々受け取り、包みの中から一つつまんでみるとじんわりと広がる生姜の味。
「…美味い。」
「よかった、野薔薇達と作った。
今日は感謝を伝える日って悟が言ってたから。」
感謝というよりはチョコレート会社の稼ぎ時なのだがまあ、あながち間違えではない。
「…ありがとな。」
お礼を言うとほんのり頬が色づき微笑する彼女。
「こちらこそ。」
釣られて伏黒も口元を緩ませていたなんて彼は知らない。