先生からのお返しは正直期待して居ない。
だが今日も今日とて数学の小テストの点数が悪いために居残り学習だ。
「…猫柳、寝るな!」
「あで、ひ、酷いにゃ。」
こっくりこっくりと船を漕ぎだすアタシの額をデコピンする先生。
猫にとって昼間〜夕方時間は大敵なのだ。
「んにゃー眠いにゃ。」
甘えるように猫撫での声を出しても先生は釣れない。
「甘えんじゃねぇ。さっさと問題を解け。」
文句の一つも言いたいところだが付きっ切りで見てくれる彼は少なからずも優しいのだろう。
日もとっぷりくれた頃、漸くプリントも終わり片付けて帰ろうとした時に目の前に差し出されるカロリーメイト。
「なんですかにゃ。」
「この間の礼だ。
生徒にもらってばかりじゃ夢見も悪くてな。」
そうフッと笑う先生。
なんの変哲も無いカロリメイトだが彼らしいお礼だと笑顔で受け取る。
「ありがとーございますにゃ。
それじゃあバイにゃら。」
「こら、廊下は走るな。
挨拶はちゃんとしろよ。」
「はーい、先生さよならにゃ。」
クスクスとからかうように笑いながら家路へ着く。
背中が妙にむず痒いが彼なりの優しさとお返しの返事がチョコレート味だったので淡い期待を胸に灯す。