任務から帰ってきた深夜上がり。
級友の薙原志保が俺のベッドで寝ている。
最悪なことに俺の服を抱いて。
「…はぁ。起きろ。」
ゆさゆさと揺さぶるがなかなか起きない。
ごく稀にだがこういうことは何度もあった。
兄代わりの五条先生にも相談したが。
「別にいいんじゃない?子猫みたいでかわいいじゃん。
僕なんてそんな事されたことないのに!」
羨ましい!とオーバーリアクションまでしてみせた。
この人は薙原の事となると少々頼りない。
相談した俺がバカだったと毎回毎回起こして自室に手を引くのだが今日はなかなか起きる様子がない。
「いい加減に…。」
しろと大声を出そうとしたら寝ぼけ眼に手を引かれベッドに倒れこんだ。
「…めぐみー。ぎゅー。」
丁度胸の谷間にすっぽり頭がハマり息苦しさにもがく。
「ぷはっ、…お前起きてるだろ。」
くつくつと喉で笑うように彼女は目をつぶったまま笑う。
「起きてるなら部屋に戻れ。」
「…やーだ。一緒に寝よ。」
両手を広げて目を細めて笑う姿が癪に触る。
「いいから今日は帰れ。」
手を無理に引いて起こそうとするが先手を打たれて髪の毛で封じられる。
薙原の術式は味方では便利だがこういう拘束は敵に回すと怖い。
ギリッとご丁寧に両手を共に拘束されてベッドに倒れこむ。
「…ねーんねんころーりよー。」
若干棒読みな子守唄が耳元で聞こえ背には小さな手が回される。
いやでも寝かせるつもりらしい。
「…俺はまだ報告書を書かないと。」
「そんなの、起きてからでいい。
クマ凄いから寝る。
いいこ、いいこ、恵はいいこ。」
その優しい声色にウトウトと眠気を誘われる。
鼻孔を微かにくすぐるいい匂いは彼女の香りだったのだろうか?