※龍樹大学生設定
※付き合ってます


桜の花は彼の様だ。
お使いを頼まれ、玉狛に戻る途中、河原の桜に目が止まる。
満開の桜と菜の花の原風景がそこにあった。
「…綺麗。」
思わず呟いてスマホを取り出して写真を撮る。
任務で忙しい彼のために一枚だけSNSで送信する。
「…よし、と。」
スマホを確認するともうすぐ昼の時間だ。
惚けてられないとスマホをしまって玉狛へ戻る。

帰ってくるとレイジさんが昼の支度をしていて迅先輩はソファでお疲れの様子。
高校生二人組は先週から学校だ。
玉狛第二の子達も今日から学校らしい。
あたしはこの春から大学だが幸い、今日は講義は午前中のみだった。
お疲れの様子の彼のそっと頬を撫でると目を開かれる。
「最初から起きてましたね?」
「…今起きたところ。
写真ありがと。
さて、お昼、お昼。」
頭をガシガシと書きながら大欠伸する先輩。
行儀が悪いとレイジさんに叱られ軽口を叩いて笑う。
お昼を5人で食べ終わった後、自室に戻って予習でもしようかとする。
「龍樹、お花見でもしようか。」
と呼び止められあっけにとられる。
「さっき写真送ったばっかじゃないですか。」
「写真見てたら龍樹と見に行きたくなっちゃったから。」
へらりといつもの様に笑うのでこの笑顔に本当に弱い。
「今日だけですよ。」
仕方なしに惚れた弱みだと手を引かれて外へ出た。

春の日差しは暖かく、花粉が若干きつい。
目は少ししょぼしょぼするが開いていられないわけではない。
隣を歩く彼女を見て笑顔になる。
辛く他人に疑心暗鬼になってしまった龍樹がこうして俺の隣で笑ってる。
夢のような浮ついた足取りでその実感はあまりない。
「先輩、桜の花言葉って知ってます?」
「…いいや。」
「精神の美、優美な女性、純潔って言うんですって。迅先輩は女性みたいに綺麗だからぴったりですね。」
そう言ってクスクス笑う彼女の方が綺麗だ。
「龍樹の方が綺麗だよ。」
「…冗談はやめてください。
でもそう言ってもらえてくすぐったいです。」
「冗談じゃないよ。
本気で龍樹は綺麗だ。」
真剣な眼差しで伝えると泣きそうな顔で嬉しいとそっと胸にすがられる。
嗚呼、なんていい日だ。

桜:精神の美、優美な女性、純潔