「千佳ちゃん、修っち、遊真っち書けた?」
七夕のイベントとして玉狛で天の川鑑賞会をしている。
提案は林藤支部長で露乃も友人として誘った。
「書けたよ。露乃ちゃんは何で書いたの?」
千佳が席を立って露乃と楽しそうに短冊を吊るす。
「えへへ、修っちには内緒にしてね。」
内緒内緒と短冊を千佳に見せる彼女。
「ほう、オサムにナイショって事は修には言いにくいことなんだろうな。」
ニヤニヤと遊真の視線が痛い。
「別に雛菱の願いを無理に聞こうとかは思ってないぞ。」
「いーや、オサムはもっとツユノと話すといいと思うぞ。」
じゃあ、頑張れと背を押されて彼女の隣まで行く。
「なーに?三雲っち。」
「えっ、いやその…。」
話に詰まってると千佳も先行ってるねと気を使って離れていく。
短冊を握りしめて俯くと露乃は小首を傾げる。
「三雲っち、握り締めたらくしゃくしゃになるよ。」
「へ、ああ、そうだな。」
「飾るならどうぞ。」
笹から離れる彼女。
そうじゃ無いんだ。
何か話題をと考えても何も思いつかない。
「なぁ、短冊、なんて書いたんだ?」
結局当たり障りのない事を聞くことに。
うーんと唸ってから少し笑って答えた。
「三雲っちには秘密。
だって、言ったら叶いそうにないもん。
見ちゃダメだからね。」
なんで僕には秘密なんだ。
そんなに知られたくないことなのだろうか?
モヤモヤと考えていると頬に柔らかい感触が。
「えへへ、これで許して。」
「な、は、何を?」
「さーてね。
じゃあ、レイジさんのお手伝いしてくるから。」
そして逃げる様に屋上から去っていく。
熱い頬を抑えながら風に揺れて彼女の短冊がチラリと見える。
『三雲っちと今以上に仲良くなれます様に。』
そんな事、願わなくてもとっくに意識しているよと気がついた時には声に出ていた。