「開いてるよ」
シャワーを浴び終えたばかりだったので、タオルでわしゃわしゃと頭の水滴を拭いながら僕は返事をする。すると声が届いたのかは分からないが、数秒経ってからゆっくりと扉が開いた。
「せんせぇ」
休息のため各自与えられた部屋へと解散してからは、すでに結構な時間が経っている。しかしなまえはまだ任務後と同じ、汚れた制服姿だった。のろのろと頼りない歩みを進めながら、今にも泣き出しそうな潤んだ瞳が僕を見上げる。
「おいで」
僕が手を広げると、何かが決壊したかのように勢いよく少女はそこへ飛び込んできた。回された細腕に応えるつもりでギュッと抱き込むと、僕との僅かな隙間から嗚咽が漏れ出す。
入学前に彼女の親とも面談をしたが、もともと感受性の高い子どもだったそうだ。だから呪霊と対峙することによって、必要以上に人の負の感情にあてられてしまうらしい。
最初のうちは、暗いところでいつもひとり泣いていたようで。それを見つけてからは僕にしか縋れないよう、どこの誰よりも優しく丁寧に手懐けた。
「いつもみたいに宥めてあげるからね」
そう告げて、僕はなまえを腕に抱いたまま背後のベッドへと倒れ込む。しがみつくようにされた細腕を傷つけないよう僕から引き剥がし、口づけを与えながら衣服を一枚一枚取っ払っていった。
「せんせっ、ごめんなさ……ぁっ、わたし、シャワー浴びて……」
胸の先端を愛撫していると、ふにゃふにゃになった唇から申し訳なさそうに言葉が紡がれる。カリッと甘噛みをしてから視線を上げると、ギュッと閉じた瞳から一筋の涙がこぼれ落ちるところだった。
「大丈夫だよ」
そう言ってからキスで雫を拭う。どうせシャワーは浴び直すことになるだろうし、ベッドを汚してしまったとしても彼女の部屋で共に眠れば問題ない。僕の中心も熱を持ち出しており、ここでお預けをくらう方が問題だった。
「オマエは何も考えなくていい。いつも通り、ただ気持ち良くなってくれればいいから」
腰のラインをなぞり、頼りなくも最後の一枚となった下着に指をかけた。
:
「やあっ、ぁっ!ああ、あ、あ……っんん」
「、キツ」
軽く腰を揺らすだけで、なまえはこちらも驚くほどいい反応をしてくれる。ナカは柔らかいはずのに、たったひとつ刺激を与えるだけで何倍にもして自身にそれが返ってくる。ひとまわり以上経験の差があろうと、気を抜くと僕の方が精魂尽き果てるまで搾り取られてしまいそうだ。
「ごめんなっ、しゃ、……ああん!ゃっ、ひゃっ、ああっ……」
「っ、もう少し声抑えないと。僕のとなり、悠仁の部屋だから聞こえちゃってるかもね」
それまで散々ギシギシとベッドの軋む音を奏でながら、自分でもよく言えたものだと思う。あれだけ甘えるように擦り寄られて、なまえに関してはその全てに応えているのだから、僕らの関係などとっくにバレているだろう。全てが今更だ。
「むっ、ふっ、〜〜っ!」
喰むように少女の小さな口を塞ぎ、阻む襞を掻き分けて限界まで奥へと押し込む。するとビクッビクッと、彼女の華奢な身体が何回かにわけて跳ねた。
それでも逃さないとばかりに僕は腰を押しつけて、重い抽送をいくらか続ける。そうしていると、繋がっている部分から熱い飛沫が漏れ出した。面白いくらい思い通りになる他者の身体に、笑いが込み上げてくる。
「ぷはっ、やばいね」
すでに気をやってるなまえは、はくはくと口を開けたまま声にならない喘ぎ声をあげ続けていた。もうここまで来ると、どれだけ好き勝手に腰を振ったところで、彼女の記憶には残らないはずである。例え憶えていたとしても驕りではなくただの真実として、もう少女は僕以外の人間に縋ることなど出来やしないのだ。
力の入らない彼女の足を抱え直し、力任せに僕自身を最奥へ押し込む。焦点の合わない茶色の瞳は指で蓋をして、条件反射的にヒッと鳴らしたのどへは噛みついて赤い華を咲かせてやった。
敢えて言うならば、僕につけ入る隙を与えたのが彼女の運の尽きだったのだろう。それから数時間かけて僕の気の済むまでなまえを抱き潰し、最後には薄汚れた白濁を吐き出した。