「ん、っふ、〜〜!!」
身体の力はてんで入っていなかったはずなのに、うねりとともに亀頭までギュッと締めつけられたので、僕も危うくつられるところだった。ビクッと跳ねる身体をさらに自身の内側へ抱き込むと、愛しい恋人は僕の耳元でうわ言と熱い呼吸を繰り返す。
「僕がつぎ射精したら——、ちょっと休憩しよっか」
「ちがぅ、もう終わる、……終わってぇ」
「最低でもあと一日はここに居ようね」
僕がそう告げると、なまえは「やだあ」と言ってすすり泣き始めた。けれどそれを無視して僕は律動を再開する。
彼女とこの地下室に籠ってから、今日でかれこれ五日が過ぎようとしていた。七十二時間以内が一般的らしいが、百二十時間でも九十五パーセント以上の効果を発揮するというものもあるらしい。なので念には念ということで。
何がというと緊急避妊薬、つまりはアフターピルの話である。硝子はすでに買収済みだが、最近はネットなどでもオンライン診療で処方可能らしく、彼女の外部との接触を完全に断つ目的で僕はこの地下室を選んだ。
きっかけと言えるものは何もない。ただ、独占欲や支配欲といったドス黒い感情が閾値を超え、僕が行き着いた先の行動はなまえに自分の子を孕ませるということだった。
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連続でという意味では本日三度目の吐精を終え、僕も彼女のとなりに倒れ込む。さすがに疲れた。腰が痛い。
なまえは肢体を投げ出し、未だに余韻を引き摺りながら呼吸を整えていた。僕が出したばかりのものが彼女の脚を伝うのも今更である。ご覧のとおりベッドシーツはどちらのとも言えない体液で湿っており、快適に眠る場所とはほど遠かった。
「水持ってこよっか」
僕がそう問うも、声が掠れていて恋人の返答を聞き取ることは出来ない。それでも僕は重い身体に鞭を打ち、地下室内のキッチンスペースへ向かった。そういえば衣服や下着もこの数日間ずっと着用していない。
続きになっている場所なのですぐに戻ってきた僕はペットボトルのキャップを外し、その中身を口に含んだ。それから乗り上げたベッドの上でなまえを抱き起こして、口移しでそれを飲ませる。
一度離れると「もっと」と欲しがったので、また同じ動作を繰り返した。咥内を犯すことも忘れない。飲み切れずに口の端から流れ落ちた水滴が目尻に溜まった涙と混ざりあい、彼女の首筋を通って裸体を濡らしていく。
「シャワー浴びよっか。その間にシーツ交換と食材の補充頼んでおくよ」
「もう充分でしょ……、こんなこと続けなくても私ずっと悟のそばにいるよ?」
「知ってるよ。でも僕の気が済まないんだ」
背中を支えるものとは別の手を膝裏に回し、愛しい恋人を抱き起こした。全然わかってないとしゃくりあげるなまえの輪郭は、この数日で少しシャープになってしまった気がする。
地下で窓ひとつない空間だが、部屋は広く空調も整えられており閉塞感は少ないはずだ。それでも着実に薄暗い何かが僕らの心を蝕み続けていた。