「ねぇ、やっぱり今すぐ佐紀ちゃんに会いたい」
電話で話してる途中で、ももが呟いた。
「そんなこと言われたらさぁ…」
「うん。困らせちゃうよね。ごめん」
「…謝らないでよ」
ももが会いたいって言うたびにあたしも会いたいっていう気持ちが大きくなるけど口に出すと余計に恋しくなるからぐっとこらえる。
「あー………」
「もも…」
ももは珍しく相当堪えてるようで、さっきからずっとこんな感じ。
「ねー、佐紀ちゃーん…」
「なぁに?」
「…佐紀ちゃんとはやくきもちいことしたい」
「はぁ?」
「声聞いてたらさぁ、いろいろ思い出しちゃって…」
「もう!馬鹿じゃないの?」
「だってぇ…」
会いたい会いたいってそういうことか。
まったく、万年発情期とはこいつのことだな…。
とか思ってる反面、もものぬくもりを感じたいのはあたしも一緒で。
「…あたしだってももとはやくしたいもん」
ぽつりと呟いた。
顔を見ながらだとぜっっったいに言いたくないセリフ。
このセリフがももに火をつけたみたいだった。
「…じゃあさぁ」
「ん?」
「今からする?」
「……ん?」
会えないのにどうやって?
そんな疑問を投げかけようとしたら小さく言うもも。
「…………電話で」
「ちょっと意味がわからない」
「佐紀ちゃん実はもう結構我慢できないでしょ」
「そそ、そんなことないし…」
あーもう、こんなとこでキョドるなんてあたしの馬鹿。
電話越しのももが笑った気がした。
「佐紀ちゃん…、ちょっとでいいから佐紀ちゃんのもっと可愛い声聞きたい」
そんな言い方しないでよ。
恥ずかしすぎて出来るわけない。
「佐紀ちゃん?」
「無理だって…」
「ももの言う通りにすればいいから、ね?」
「もも……」
優しいけど少し強引なももの口調に、あたしは断る術を持っていなかった。
「佐紀ちゃん、きもちくなろうね」
「…」
ももがいつもしてくれることを、自分でする日が来るなんて思っても見なかった。
「ね、佐紀ちゃん。ちょっと触ってみよっか」
「え?」
「下。どうなってるか確かめて」
「…さ、触るの?」
「触ってあげたいけど無理だもん。自分で触ってみて?」
「……ん」
小さく答えて、ジャージのズボンに手を伸ばした。
「佐紀ちゃん、ちゃんと触ってる?」
「…うん」
自分で触ってるのをわざわざ確認されるなんて、恥ずかしいことこの上ない。
見られていないと分かっていても、ズボンの中に手を入れ、下着の上から手をあてがうことしか出来なかった。
「ちゃんと触って。ももがいつもやってるみたいに」
「ねぇ、もも…やっぱ恥ずかしいから…」
「その恥ずかしいのが好きなくせに」
「…」
言い返せなかった。
ももはなんでもお見通しだ。
実際に、少し湿ってきてるのが指先で感じ取れてしまった。
「佐紀ちゃん?もしかしてもう濡れちゃってる…?」
「ちがう…!」
図星をつかれて咄嗟に否定したものの、もものことだからきっと嘘ってわかってる。
「ね、触るだけじゃなくてちゃんと動かさなきゃ」
まるで見られているかのように、ももから言われる。
こうなってしまったらもう後には引き返せない。
ゆっくりと控えめに中指を前後させた。
「…っ」
小さな刺激が下半身に走る。
「さーきちゃん。指止めちゃだめだよ?」
「………」
ゆっくり、ゆっくり。
声が漏れないように、ゆるゆると刺激する。
自然と息が荒くなってしまう。
「佐紀ちゃん、直接触って」
声を出さないのが気に入らないのか、更なる要求をするもも。
それに素直に従うあたしも、どうかしてる。
腰をあげて、片手で下着ごとズボンを膝までずらした。
「ねぇ、佐紀ちゃん」
「…ん?」
「イヤフォンつけて電話しよ?」
「なんで?」
「いいから。ね?」
言われるまま、ベッドの脇に置いてあったイヤフォンをiPhoneに挿し、片耳にだけはめた。
「音、聞かせて」
さっきよりももの声が耳元で聞こえる。
それだけで、興奮する自分がいる。
「そ、れは、無理」
「やだ。早く聞かせて」
「……」
おずおずとiPhoneを下にずらし、湿った部分に指を持っていく。
指が触れるとそこは自分でも驚くほど濡れていた。
そして、またゆっくりと指を動かし始めた。
「……っ、…」
「聞こえなーい。もっと激しくして」
「もも…、や…」
「佐紀ちゃんのそこ、濡れてるの知ってるもん。音、聞きたい」
「……ぅ、っ……」
言われたとおりに、指を小刻みに動かした。
いやらしい水音が耳に届く。
「…佐紀ちゃんの音、聞こえてるよ」
「…はぁっ…、………ん…」
ももに聞かれていることで、益々恥ずかしくなる。それと同時に、興奮も高まった。
「ねぇ、きもちい?」
「……ん、……もちぃ……」
息が荒くて、ちゃんとした返事ができない。
「佐紀ちゃんの恥ずかしい音、ももにもっと聞かせて?」
「…、ももっ………」
指に液を絡めさせ、塗りつけるように動かす。
そこはもう十分すぎるほど潤っていた。
「……ね…、も、も……」
「んー?」
「…はっ………ぅ、指、入れていい…?」
「…もうイキたい?」
「ぃ……、キたい…」
「しょーがないなぁ。いいよ」
「…………っ…、んん、…」
自分の中指が入っていく。
するりと入口を通過して、内側を押しのけながら進んでいった。
びくんと震える度に、指が締め付けられる。
意外と狭い自分の内側に驚き、ももはいつもこんな感触なんだと思った。
「…ぅぁ、…ん、………」
「佐紀ちゃん…」
切ないトーンで名前を呼ばれ、きゅぅっと指が締め付けられた。
ももがいつも自分にするのを思い出しながら指を動かす。
「佐紀ちゃん、自分の指で感じてんの?」
「……ぁ、も、…んん………!」
「ちゃんともものこと思い出しながらしてる?」
「ん、ぅん…………」
「佐紀ちゃん、気持ちよさそうな声出てるよ?」
「ぅ、……んっ…」
ももの言葉にいちいち反応してしまう自分が恥ずかしかった。
「ねぇ、もう限界?」
「ん、…っキそう……か、も…」
「佐紀ちゃん、イっちゃうの?」
「んん、ももぉっ………」
「なぁに?イっちゃう?」
「ぅ、んっ…!イっちゃ…………ぅ…!」
「イっちゃいそうな佐紀ちゃんの声、すっごく可愛い」
「ゃ、だぁ…、もも…ももぉ…………」
「んー、イっちゃっていいよ?」
「………はぁ…、も、……無理、ぅあ…!」
「佐紀ちゃん可愛すぎるよ……」
「………は、ぁ、もも、すき……ん、ぅ!」
「ももも佐紀ちゃん好き」
「ぁ、イっちゃ………ぁ、ん…!…、…………っ、…!」
ももの声で気持ちよくなって、自分の指で果てた。
その事実が恥ずかしかったけど、いつもももがしてくれるのと同じくらい気持ちよかった。
今までにない経験で、疲れ果ててぐったりとベッドに横になった。
「はぁー、佐紀ちゃん可愛かったぁ…」
「……もものばか。電話でなんて恥ずかしいのに」
「んん?でもそう言う割には感じてますって音してたよ?」
「…ばか」
「声も可愛かった」
「もう、やめてよ」
「ふふ。明日頑張れそう」
「…明日、何時に終わるの」
「んー、お昼くらいに終わるよ。夜にはおうち帰ってる」
「…ふーん」
「あ、ちゃんとそっち行くから。待っててね?」
「うん」
「明日はちゃんと、ももがしてあげるからね」
電話の向こうでにやけているももの顔が浮かぶ。
そんなももが、やっぱり愛しくて。
心の中で、早く明日にならないかなぁと呟いた。
end.
diva!