2015正月アンケート企画 財前ver


「先輩ー、もう行きますよ」


『う、うん!ちょ、ちょっと待って!ケータイ忘れた!』


玄関からまたリビングにケータイを取りに行くと、光は呆れたようにはぁ、とため息をついた。

今日は大晦日。

ということで光とあたしは2人で初詣に行くことにしたのだ。

光と夜に2人で仲良くカウントダウン!

どうしよう!楽しみすぎる!!!!



「先輩、はよして下さい」



『ご、ごめんやん光!』



慌てて既に玄関の外にいる光を追いかける。

すると慌ただしいあたしに呆れながらも光はさりげなくあたしの手を握って、光のダッフルコートのポケットの中に入れた。

こ、こういうところやんな!

さりげなくやっちゃうところがずるい、そしてかっこいい。


心の中でうあうあぁぁ…と悶えていると、いつの間にか神社に着いていた。


『ひ、光!後、どれくらいで年あける?』


「あと………5分くらいちゃうかな」



もうすぐやん、神社の中を進みながらそう呟いた。

夜遅いけど、神社の中は人がいっぱいいて、カップルとか友達同士でわいわいしてるのが目にはいった。


『家に帰ったらお雑煮が待ってるし、ウキウキ〜』


「先輩、食い気しかないっすね」


『食い気だけじゃないし!あ、光はお雑煮、すまし汁派?』


「結局食い気やないっすか。ちなみにお雑煮は白味噌派です」


『やんなー!!やっぱお雑煮は白味噌やわ〜』


と、お正月ならではの会話をしていれば、あっという間に、



「あ、もうすぐやわ」



光が腕時計を見ながら呟いたと同時に神社内のあちこちから声があがる。

十秒前、となると神社に来てる人、皆口を揃えてカウントダウンを始めた。




『さん、に、いち!


光ーーー!!あけまして、おめでとう〜!!!』



わぁぁあ!っと、年が開けた途端神社内が騒がしくなる。

あたしまでテンションが高くなって光に引かれたけど、その後でちゃんと、

「あけましておめでとう。
今年もよろしくな」


そう笑いながら呟いて、頭を撫でてくれるから、

年の初めからこんなに幸せだとのちに悪いことが起こるんじゃないかってバカなこと考えたりしたけど、


「そんで、ずっと一緒おろな」



光が一緒なら何でもいっか。
花死