卵とじ



向かいの一軒家にはとんでもなく美形の家族…兄弟が住んでいる、その1人である彼にこの前助けられた。

「おい、おれの女に気安く触るんじゃあないぜッ!」
絡まれているところを彼の機転で
冷静ではあるが怒りのこもった声音が鼓膜を揺らす、それと同時に腰に回された腕。

きちんとしたお礼をまだ言えていなかった、そんなことを考えながらはっと我に返ると一人ではとても食べきれないほどの量のポテトサラダが出来上がっていた。


「沢山作ってしまって食べきれないので…お裾分けを、その、よかったら食べてくだ、さいっ」
ポテトサラダを入れた大きめのタッパーおずおずと差し出すと、それを受け取っては
「ああ、ありがとう。兄弟はたくさん食べるから助かるよ」
表向きの笑顔を取り繕って彼女に向けた。するとどうだ、先程とは打って変わってすっかり安心して表情は明るくなり微笑みを返してくれたのだ。きゅっと締め付けられるような感覚を覚えるも顔に出すことはなくそのまま作り笑顔をし続けた。
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