Crack Clock - NPC
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足蹴りを避けられてしまい、勢いのあまりに少しよたつきながら目の前で派手に屋根裏の品々に突っ込むシセイの姿を見て、ミレイユはやってしまったと描くような顔になる。しかし次の瞬間、その表情は苦に変わる。セルと同調した何かが品々の山から飛び出し、ミレイユの真横を素早く駆け抜けていく。すると辺りは先程よりも暗くなり、酷く鳴り響く耳鳴りが彼女の鼓膜を突き刺した。鳴り止まない耳なりに思わず瞑ってしまった目を凝らし後ろに居た二人を探せば、左にいたクライドは耳を塞ぎならがしゃがみこんでいる。ミレイユと同様に聴力でセルを感知するのを得意とする彼にとっても今の姿だとより厳しいらしい。さらにゆっくりと左へ視線を向ければ、先程のドールと睨み合うようにしてハチヤが立っていた。手には品の山から崩れて転がってきた木刀の様なものを握り構えている。その様子を伺いながら、ミレイユはクライドに目線を戻す。

「クライド、立てる?」
「うん、いきなりだったからちょと…でも大丈夫、狩るよ」

そういい放つ彼の表情は幼い無垢な顔から冷徹な顔つきになったのを確認した後、ハチヤへと視線を向ける。

「ハチヤさん」
「ああ」

目の前には、セルと同調したドールが自身の辺りの空間を捻れさせて、黒いもやで姿を隠している。はっきりと解るのは鋭く赤い眼光のみ。もはや逃げるだけでなく意図をもって攻撃してくる気配に、眼光から視線を反らさないままのハチヤ。
それを確認しながら、ミレイユとクライドも立ち上がり構え直す。話すのも億劫な空間の中、お互いに目配りと気配を頼りにドールから意識を外さず、陣形を立てた。左側にミレイユ、右側にクライド、二人のやや後ろにハチヤ、そして未だに目を回しているシセイを背後に、再び捕獲が始まる。

先陣を行ったのはミレイユ。
普段よりも身軽になった体に勢いを付けてドールに足蹴りを撃ち込む。しかし素早く避けられ、攻撃は屋根裏の床に踵落としを喰らわせてしまう。
次にクライドがミレイユの攻撃を回避したドールに迷わず棒を突き刺す。が、これもまた避けられてしまい、棒は床を勢いよく叩きつけた。
ドールはクライドの攻撃を回避した勢いのまま目の前にいるハチヤに向けて襲いかかるが、紙一重で攻撃を伏せて避ける。その刹那―

「これで終わりだ!!」

ハチヤの背後からこれまた勢いよく飛び出してきたシセイと正面衝突したドールは先程から一点に攻撃を受けてぼろぼろになった床へと叩きつけられる。それを見計い、ドールを囲う形になった3人は同時にまた同じ場所の床をこれでもかと、床に足蹴りを棒を木刀をさして、ドールの次に降り落ちてきたシセイにより、屋根裏の床は盛大な音をあげて崩れ落ちた。



2012/10/30
制作:サラキさま

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