嫌悪感のある視線を向けられることなど、いつものことだった。獣の耳、獣の尻尾。猫のような目に尖った牙。魔物と人間との間に生まれた自分は、村でのはみ出しものだった。今はまだその目で見られるだけで済んでいるが、村に来たばかりの頃はもっと酷かった。石を投げられたり、面白がっていじめられたりもした。村の中で生きることはなかなか難しい。かといって、半分人間である自分は、魔物の群れに入ることもできない。半分人間の血が流れている魔物の血は腐っているなどと言われてしまったからだ。どちらでもない自分は、どちらにも属せない。
自分は一体何者なんだろう。
曇天の空を眺めながら、村の外れでぼうっとしていると、必ず声をかけてくる人がいる。その人は、
「自分が何者か考えるよりも、自分が何になりたいかを考える方が、出口が近い気がするよ」
そう言うのだ。
何になりたいか。どうありたいか。どう生きたいのか。哲学的なことを言われても、まだ自分にはわからない。