一連の事件は収束し、全てが解決へと向かったかのように見えた。しかし、休息する間もないまま、新たな事件が生まれる。それは、第一波として警視庁捜査第一課に降りかかる。

「辞任表…?」
「そ、…ほんと、何やってくれちゃってんのかね、うちの猫は」
「雅さんと連絡は取れたんですか!?」
「それが、妙なんだよねぇ」

机の上に出された辞任表を手に取りふらふらと揺らす服部さんは何かを考えるように外を向いている。

「妙、とは?」
「そんな人は存在しません」
「はい?」
「電話やメールは勿論。不動産契約