安室さん……何やってんだ?
「このタイミング…絶妙すぎる」
「…ああ、何だろうなこれ」
私とコナン君は顔を見合わせた。一方で工藤母は自分から話を振っておきながら急用を思い出したとかで慌てて走って消えた。最初から最後まで嵐のような人だった。とにかく、凄まじい。だが、高校生の子供を持つくせに可愛いのだから罪だ。
そういや安室さんの隣で何やら必死に話しているスーツの彼女も可愛い。で、私はというと赤井さんに「無謀な賭けにでる世話の焼ける奴」と言われるくらい可愛気がなくガサツである。可愛いのかの字もない。…というかそもそも可愛いキャラじゃなかった。
「で、どうなんだよ、妬けるか?」
「うーん、」
普通なら、ここで嫉妬でもするのだろう。安室さんの隣に可愛い女性が、とか、安室さんのあの誰にでも物腰柔らかい態度が腹立つ、だとか。
「…いや、反対かな」
だが、寧ろ私は安心した。
「反対?」
「私は安室さんの紳士的なところや表面の笑顔には惹かれない。何かを考える真剣な眼差し、余裕がない時の強引な優しさ、全てを受け止める器量、そういうところが、」
そこまで言ってハッした。
これって、もう、私は安室透のことが、
「なんだよ、オメェもちゃんと見てんじゃねーか」
そう言ってニヤリと笑ったコナン君は、ったく鈍感は困るぜなんて言って歩いていった。想いを自覚した途端に鼓動が早くなる。だが自分の心情の変化にいまいち付いていけず、口に手の甲を当て安室から目を逸らす。心臓がうるさい。頭が熱い。気がする。
ただ一言言わせてほしい。
…お前に言われたくねーよ!
ーーー
一方で安室透は公安の後輩で同じく警察学校を主席で卒業した人物に説教を受けていた。
「何なんですか!久し振りに姿を表したと思ったら!FBIを合理的且つ迅速に公安に引き摺り込む術って何だろう?って降谷さん何考えてんですか!?アホなんですか!?馬鹿なんですか!?」
「仮にも上司に向かってその態度はなにかな」
「うるさいですよヘタレ上司!権力を使い職種を変えさせ自分の近くにいさせるなんて卑怯です!そんなことせずとも俺の傍にいろ!で!いいじゃないですかヘタレ上司!」
「二回もヘタレと言われた…」
「そんなんだからするりと手を抜けてくんですよ彼女は!またアメリカとか行ってしまったらどうするんです!?」
「…追いかける」
「おい公安!」