※捏造注意


グウィン国王につかえていた者達は生きているものなどほとんどきえてしまった、最後まで姫様も国王も妹君様も…そして病で倒れ死んでいった王女様さえもこの手で守れやしなかったから当然の罰だと言えば頷ける。俺も直にきえる、何故わかるのかって?感覚がするのだ、じわじわ奥からなにかが浸食してきて内側から甘い密のようにどろりと溶かされているような…そんな気味の悪い感覚。体の中をかきむしりたくなるのを唇を噛むことでおさえる。隣で赤い血ではない体液を流し、人間とはとても思えない見た目になったまま死んでいる同僚、随分と同僚も醜いものになってしまったものだ、これが深淵と言ったところなのか…はたまたグウィン国王の仰っていた呪いの類なのか…、わかっているのは俺がきえたら同僚と同じ様な末路を辿るということだけであった

「…深淵歩き、」

銀の、青の、二つの色が目に光をあたえるかのように映り込んだ。息を止めそうになったがすぐに目を細め深淵歩きことアルトリウスを見た、彼もまた甲冑越しに此方を見てくる、しかし彼も深淵歩きと呼ばれていたのは昔の…グウィン国王が生きていたときの話、深淵歩きであろうと結局は闇にのまれてしまったのだから。今だって名を呼んで反応を示した訳でなく、俺を斬るために反応したのだろう、まだ国が正常だった時も俺は彼をアルトリウスと呼ばずに深淵歩きとばかり呼び良い印象などは微塵もなかった。ただ国王がそうなさるなら俺は従うだけだった。

「…やぁ、深淵歩き。悪いが一思いに殺してはくれないか?理由が必要なら化け物になりたくないとでも言っておくからさ、虫がいいってのはわかってる、俺はあんたを好きになれないけど…お願いだよ深淵歩き」

さっき会った王の刃(ことキアラン嬢)には手酷く無視されてね、と付け加えにこりと笑ってやる、闇に落ちのまれた深淵歩きには聞こえやしないだろうがすがってみるのもいいじゃないか。俺は深淵歩きが好きではないが深淵歩きの剣さばきは好きであった、無駄なく速く重く強く…

「…………無理か、だよな、お前には聞こえてないもんな」

残る道は自害、それぐらいしか化け物にならない道はないだろう。今日は王の刃にも深淵歩きにも会えたのだ、幸福ではないか、今からでも遅くはないし剣なら錆が酷いがあるにはある。ゆるりと手を剣に持っていくのにサクリと音がした、サクリだなんて軽い音どこから出るんだと痛む腹を見ればじわりと染み出る赤につながる銀の剣

「……AAA…」

あれ、なんで深淵歩きが俺の名前知ってるんだろ


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