「じゃーん!ノア様どうです?うまくいきましたか?」
くるりと回ればツインテールとミニスカートが揺れ、ふわりと風が舞う。
そこにいるのは確かにエクソシストのリナリー・リーであった、しかし、纏う雰囲気や居る場所が彼女では無いことを示している。その証拠に彼女の目前にいたノア様ことティキが軽く拍手をおくった。
「おぉ、すごいじゃん?あのエクソシストそのまま、声もそのまま。いつの間に進化したの?」
「僕が進化の手助けをしたのぉ、元々せんねんこーが僕にくれた玩具だし」
「へぇー」
ティキとロードの反応にリナリーの偽物はキャアッと嬉しそうな悲鳴をあげ、飛び上がる勢いでロードのノア化していない白い手をとりキスをする。さながら御伽噺の姫に付き人の女が好きだ愛しているとささやくようだ。
「私、すごく嬉しいです。レベル3になっても能力が定まらなかった身としては、もうっ、本当にありがとうございます」
じわりとリナリーの偽物の周りが歪み、出てきたのはレベル3のAKUMAだった。ロードは見慣れているのか驚きもしない。黒と青で固められた鎧のようないでたちは、付き人の女という立場から悪の騎士に見た目がすっかり変わってしまった。AKUMAにティキは問うた。
「他にもなれるのか?」
「はいノア様、なれますよ。人間の形をしていれば大体は大丈夫です。ロード様の「夢」のお力故に私がなせた能力の覚醒でございます」
「なった人の力とかは使えるわけ?」
「流石にそれは無理だよティキ、僕の力を軽ーく使ってやったから見た目や声が変わっただけ。元々パワー型のレベル3だし、攻撃性なら負けないよ」
まぁ僕の玩具を戦いに出す気は無いけど、とロードの言葉は続いた。その言葉がAKUMAにとってとてつもなく尊い言葉であったために、酔いしれたようにほぅと息をはいたようだった。
「AAA、姿変えて」
「はぁいロード様!」
「珍しいなロード、お前が名前なんてつけたのか?」
「うん、僕のだから」
AAAと呼ばれたレベル3のAKUMAの周りがまた歪み、姿があのアレンに変わった。にこりと笑った顔もやはり違和感なくまさしくあのエクソシストのアレンだった。
「誰にもあげない、僕の玩具」
バキンとロードの食べていたキャンディが噛み砕かれ、ティキはもう一度へぇと呟いた。姿を変え終わったAAAはやはりニコニコとしているだけだった。
戻る
TOP