「は?農校に行くってェ?」
「AAA、言葉使い」
「あっ、ごめんなさい父さん。…それで、勇吾兄さんは農校に行くの?」
「そのようだぞ」

ソファーに放り出された農業高校の資料をちらりと父さんが見る、ソコに書いてある学校が勇吾兄さんの行く高校ってわけなんだろう。後で資料見るねと言うと好きにしなさいと返してくる。先生からの薦めで選ばれた学校だとも父さんは付け足すように口を開いて、すぐにご飯を黙々食べ始めてしまう。
今日、というか最近、母さんは勇吾兄さんや慎吾兄さんの行動が勝手すぎててんてこまいになっているために予定がガッチリ詰まっている。今日は確か、勇吾兄さんの面談だった気がするなとカレンダーのメモをちら見して確かめる、ふむ、合ってた。
作り置きされた母さんの夕飯を父さんと囲むという、普通の女子中学生なら嫌がったりするようなことをしている、苦ではないし父さん嫌いじゃないから気にもしないけど…。

「…アイツは、お前にも伝えてなかったのか」
「ね…、仕方ないよ勇吾兄さんも忙しいんだろうし」

すぐに、私の番だ。私の受験活動が始まるのだ。
噛み砕いた魚が一々引っかかって喉を通っていく、恐怖と緊張と期待が浮いては沈んでを繰り返して波をたてているのが解る。

「言っておくが、勇吾は寮だからな」
「ふーん…………ハァッ!?」
「…言葉使い」
「あ、ご、ごめんなさいっ」

じゃあ、勉強教えてもらえないんだなぁ…。
兄が二人ともいない、どことなく寒くなりそうな家にご飯をかき込んだ。やっぱり母さんのご飯おいしい


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